大手の不動産業者(三井不、住友不など)は、良好な融資環境を背景に好調ですね。
一方、個人投資家や中小の不動産業者はアパートローンの引き締めなどで、厳しい状況に....
そのような背景もあってか、中小不動産業者による匿名組合を活用した不動産投資「不動産投資型クラウドファンディング」が続々と誕生しています。
不動産クラファンが増えてきた要因とまとめると、
- 平成29年の不特法改正(ネットで書面の確認が可能に)
- 融資引締めによりクラファンを利用した資金調達へ移行
- キャップレートの低下と優良不動産への需要の高まり
の3点が個人的には主な要因だと考えています。
不動産クラファンには上場企業系も続々参入してますし、投資先としての不動産クラファンの安定性に気付く投資家も増えている印象です。
歴史を振り返ると、不動産市況は必ず「良いタイミング、悪いタイミング」のサイクルを繰り返します。
今が市況のピークと見る専門家や現場の最前線にいる実務家もいますし、僕も今がサイクルのピークに近いと思ってます。
ファンドバブル以降、今現在まで投資用不動産の好景気が10年近く続いてますから、そろそろ市場による調整がでてきても、おかしくありません。
ただ、個人的には今後、景気による多少の市場調整があったとしても、「立地」や「リノベーション」といったビッグワードを押さえている”優良不動産”は選ばれ続けると思ってます。
優秀な不動産クラファン業者は、もちろんこれらのワードを押さえてます。
★★★
不動産市況の前置きが長くなりましたが、今日のテーマはこちらです。
不動産クラウドファンディングに新しい業者アセクリが誕生しました。
アセクリの由来は「アセット(資産)」と「クリック」。
不動産クラファンの新人といえば、「不動産クラファンは人気だけど..受け皿として供給が少ないから投資できないよね」
・・・という悩みは2019年まで。2020年からは投資先の分散と、いよいよ業者間の競争も激化しそうです。
不動産クラファンが大好きなので、新時代が楽しみで仕方ありません。
ASSECLIの概要
毎回すみませんが、とても大切なことなので、簡単に不動産クラファンを復習させていただきますね。
まず、ASSECLIは「不動産投資型クラウドファンディング」だということが、非常に重要なポイントです。
不動産クラファンはソーシャルレンディングとは全く異なります。
法整備が進み情報開示が優れている
融資型クラウドファンディングは、いわゆるソーシャルレンディングとも呼ばれ、投資家と借手を結ぶ「貸金業法に基づく貸金業」です。
一方、不動産投資型クラウドファンディングは、厳しい「不動産特定共同事業法の許可を得た不動産業」です。
両者に共通するのが、ファンド組成には「第2種金融商品取引業」の許可も必要だということですね。
ただ、ソーシャルレンディングより法整備・情報公開が進んでいる不動産投資型クラウドファンディングは、
- 「不動産のプロ」が運営
- 「現物不動産」が投資先
- 「情報がクリア」に開示
という特徴があります。
Jリートと同じように実際の「現物不動産」を証券化してお金を集め、運用した「賃料」と「売却益」を投資家に分配する仕組みですね。
不動産投資型クラウドファンディングは、投資先が見えてるし、仕組みもシンプルなのが特徴だよ。
投資家を保護する仕組み(優先劣後方式)
不動産クラファンの一番の優位性は優先劣後方式です。
運営側も投資家と同じ物件に出資することで、利害関係を一致させ(セイムボート)、さらには万が一、不動産の売却で損失が発生したとしても、運営側が優先的に損失を負担してくれる仕組みです。
運営側も自分が損をしたくないから、がんばって物件を運用するね。
ASSECLIは、例えば「第1号都庁駅前ファンド」では22%の劣後出資をしてくれるので、もし物件価格が下落したとしても、22%以内の損失であれば、まずは運営側が損失を負担してくれます。
各業者の劣後出資比率は、
- CREAL:10%
- FANTAS:20%
- ジョイントα:30%
- SYLA FUNDING:30%
が目安なので、ASSECLIはやや高い水準ですね。
投資金額は1万円から
不動産クラファンでは、投資金額は1万円からが主流になってます。
ASSECLIも1万円から投資できるようです。ハードルが低く設定されてるのは、初心者投資家に対して優しい対応だと思います。
管理会社プレミアムバリューバンクの概要
ASSECLIを運営するプレミアムバリューバンクの概要はコチラです。
- 社名:株式会社プレミアムバリューバンク
- 本社:東京都港区北青山3-2-5-4F
- 設立:2011年6月
- 社長:北野 孝
- 資本:1億円
- 事業:クラファン、売買・仲介、バリューアップ、デベロップメント、AM・PM、リノベーションほか
- 免許:不特業、第二種金商業、宅建業、マンション管理業ほか
不動産クラファンでは、運営者の不動産の目利き力が重要です。
プレミアムバリューバンクは不動産の売買のほか、デベロップメント、AM・PM、リノベーションなど幅広く活動されているようです。
正直、今の不動産市況では、中小企業のデベロップメントなんかはメチャクチャ厳しいと思いますが、リノベーションやバリューアップは今後も伸びていく市場です。
なお、プレミアムバリューバンクは収益不動産(マンション・アパート・商業ビル)を中心に、1,000件以上の取引実績があるようです。
区分ではなく、1棟ものの実績が豊富なようですね。商業ビルをぜひクラウドファンディングで募集してもらえたら....かなり面白いと思います。
リスクヘッジに優れた不動産クラウドファンディングでも、「事業者の破綻」がリスクとして挙げられますが、プレミアムバリューバンクの業績は好調のようですね。
ASSECLIの新規ファンド
ASSECLIの第1号ファンドは、新宿区の区分マンションで、2020年1月10日12:00に募集スタートです。※先着方式
....まず一言いいでしょうか。えーゴホンゴホン・・・
利回り高っ!
僕が鑑定するまでもなく、利回り8.0%は、実質利回り(キャップレート)よりも、かなり高く設定されてます。
特別な事情がない限り、新宿区の区分マンションならば、立地面だけで見るとキャップレートは4%を切りますので。
ローンチ初期は利回りのボーナスタイムが慣例になってるようです。
まだASSECLIを知ってる人は少ないという点と、ローンチ初期は特に慎重な運営になる点、8%という高利回りという点から、僕は投資しておこうと思います。
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