ただでさえ暑苦しいのに、さらに重苦しい空気になるニュースが飛び込んできました。
2019年8月から募集を停止していたLCレンディングの親会社「LCホールディングス」から、「継続企業の前提に関する事項の注記についてのお知らせ」が公表されました。
「継続企業の前提に関する事項の注記」って何?
継続企業(ゴーイングコンサーン)に重大な疑義・不確実性があるときの注意喚起だよ。
継続企業の前提に関する事項の注記
ポイント整理
前置き
- LCグループは、不動産ファンドや医療事業資金の調達のため、ソーシャルレンディングを活用していた。
- LCレンディングは商品設計のみで、募集はマネオマーケットへ委託していた。
- LCレンディングの短期ファンドはリファイナンスを繰り返していた。
マネオショック
- マネオマーケットから募集停止の申出を受け、2019年8月から新規募集を停止し、リファイナンスができなくなった。
- 2019年6月末時点で、リファイナンス前提の短期ファンド(1年以内償還予定)の預金残高は63億円と影響が大きい。
今後の予想と対策
- 今後1年間の資金調達状況によっては、投資家への償還が困難となるおそれがある。
- 対策は、外部からの資金調達、担保売却、ソーシャルレンディング再開などを検討している。
LCホールディングスお知らせ(全文)
当社グループでは、不動産ファンドを組成する際のメザニン・ローンの調達や、医療法人の事業承継資金総額のうちの一部の調達にあたり、融資型クラウドファンディングを活用しております。
当社の連結子会社が、当社グループが行う投資についての分析を行い商品設計までを手がけ、その商品の具体的な取得勧誘行為(以下、「募集」と記載)については、募集を委託していた外部業者であるmaneoマーケット株式会社(以下、「募集外部業者」と記載)へと委託しております。
当社グループが行う投資は比較的長期間にわたるものが主体となっておりましたが、クラウドファンディングによる資金調達期間はその性質上短いことが多いため、投資を回収するより先にクラウドファンディングによる調達資金の償還期日が到来する場合、クラウドファンディングの投資家に対して再度募集をかけることによって償還資金を調達する、もしくは、当社グループが別途金融機関等からの融資等によって償還資金を調達する必要があります。
2019年6月末現在での1年以内償還期限のクラウドファンディング投資家からの匿名組合出資預り金残高は6,347百万円あります。
当社グループは、上述のように、比較的償還期間の短いクラウドファンディングによる資金調達の償還のために、クラウドファンディング投資家に対する再募集を予定しておりましたが、募集外部業者から募集行為を停止する旨の申出を受け、2019年8月より募集行為を全面的に停止するという決定を行いました。
このため、今後1年間の資金調達状況によっては匿名組合出資預り金の償還が困難となるおそれがあります。
以上により、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。
当社グループは、これらの状況を解消するため、以下に記載の対応策を実施してまいります。
(1)外部からの融資増資等による資金調達活動を予定しております。
(2)販売用不動産の早期売却を予定しております。
(3)クラウドファンディング投資家に対する募集再開にむけ関係各方面への働きかけをしております。
しかし、これらの対応策に関する最終的な合意が得られていないため、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められます。
なお、連結財務諸表は継続企業を前提として作成しており、このような継続企業の前提に関する重要な不確実性の影響を連結財務諸表に反映しておりません。
(出典)LCホールディングスホームページ
あちゃ~。ここまではっきりと「償還が困難」と書かれると、問題の深さを感じます。
投資家はどうしようもないけど・・・63億円も返せるんかいな。
こうなるとマネオ募集停止の影響(リファイナンスできない)って、LCレンディングだけじゃないですよね。
その他のマネオファミリー(ひいては、株式市場)への影響も大きいかと。
※トッティはマネオファミリーで投資してないので(LCに少額以外は)、ファミリーの最新情報についていけてません。
改めて、マネオファミリーには近づかない方がよさそうだね。
ポイント
企業会計はド素人で恐縮ですが(10年以上前に不動産鑑定士試験の際に、会計学で学んだっきり)、「継続企業の前提に関する事項の注記」により、
「債務不履行」
つまり、「支払期日における債務の返済」が困難になってしまった状況です。
あまり不安を煽るような記事は書きたくないんだけど・・・LCレンディングの先行きがかなり不透明になってしまいましたね。
親会社のLCホールディングスからは、いくつかの対策が記されていますが、具体的にはまだ決まっていないようです。
LCレンディング投資家にとって、どの程度の影響があるかまだ分かりませんが、遅延は避けられそうにない状況です(LCがはっきり言ってるし)。
トッティの投資額・投資方針
う~ん。今回の件で、改めて「マネオファミリー」の闇の深さが浮き彫りになりました。
マネオファミリーの中でも、「上場企業が連帯保証のLCレンディングなら大丈夫」という安心感もあったかと思います。
個人的な話で恐縮ですが、LCレンディングに大きく投資したことはなく、特に「2018年11月1日のマネオ大量期失」を受けてからは、
マネオファミリーであるLCレンディングからも撤退を決めていました(ただ単純にLCレンディングへの興味がなかっただけとも言う)。
ただ、トッティは撤退の直前(2018年10月)に投資した30万円(2019年10~11月に償還予定)が、巻き込まれてしまいました。
あと少しで完全撤退できたのに・・・おしかったな。
LCレンディングが予断を許さない状況になってしまいましたね。
【クラウドファンディング業者一覧】
荒波にもまれ変貌を遂げるか?話題独占のFunds(ファンズ)を徹底分析
【不動産鑑定士が解説】FANTAS funding(ファンタスファンディング)の評判・メリット・デメリットまとめ
【クラウドファンディング投資額集計】
業者 | 投資額 | 累計分配金 |
SBISL | 2,780,000円 | 124,703円 |
OwnersBook | 2,850,000円 | 71,554円 |
maneo(109万円期失) | 1,890,000円 | 260,349円 |
クラウドバンク | 1,580,000円 | 262,602円 |
CREAL | 1,310,000円 | 15,916円 |
Funds | 500,000円 | 2,421円 |
SAMURAI | 450,000円 | 3,500円 |
FANTAS funding | 800,000円 | 0円 |
LCレンディング | 300,000円 | 14,342円 |
クラウドクレジット ![]() |
200,000円 | 16,846円 |
Pocket Funding | 100,000円 | 0円 |
COOL | 30,000円 | 0円 |
合計 | 12,790,000円 | 772,233円 |