2019年5月28日20時から、CREALの新規案件「ブライズ早稲田東」の募集開始ですね!
今さらながら、不動産クラウドファンディングの最大のメリットは、ネット上に物件情報が深く開示されること。つまり、ソーシャルレンディングより、
- 「透明性」
- 「物件評価の正確性」
- 「スキームのシンプルさ」
が優れます。
情報開示があっても不安の残るソーシャルレンディングと比べると、トッティは不動産クラウドファンディングのアドバンテージが高いと思ってます。
\透明性の優れるCREALでお手軽投資/
物件の評価手法
今回のファンド「ブライズ早稲田東」は、小口の区分所有マンションです。
なので、鑑定機関から公表された情報は、ホテルや保育所のような正式な鑑定評価ではなく、簡易調査となります。
物件評価を担当しているのは、毎度おなじみの「JLL森井鑑定」。
採用している手法は、「取引事例比較法」と「収益還元法」の2種類です。今回は省略されてますが、正式な鑑定評価では、さらに「原価法」も加わります。
しかし、本件は2,000万円程度の小口案件で、運営側のコスト削減もあるでしょう。原価法は省略されてます。
区分所有マンションの原価法は、ちゃんとやるとけっこう面倒な査定になるので、トッティも「原価法は省略されても仕方ないな」と思います。
実際に公表されている資料からは、専有部分の位置などが分からず、階層別・位置別効用比により求めた配分率が査定できないので、投資家側でも原価法は査定できません。
説明しよう!物件の評価方法
「原価法とは」
一棟の建物及びその敷地の積算価格を査定し、この価格に階層別・位置別効用比に基づく対象不動産の配分率を乗じ、さらに対象不動産の個別的要因を考量して試算する手法。
「取引事例比較法とは」
周辺地域にあり立地・規模・方位などが類似するマンションの取引価格に、時点修正や要因格差修正を行って価格を求める手法。実際の取引価格が基になるので実証的な価格。
「収益還元法とは」
価格時点に新規に賃貸することを想定し、総収益から総費用を控除して求めた純収益を還元利回りで還元して収益価格を求める手法。投資採算性を反映し、収益性の観点から市場価値を把握できる。
今回採用している取引事例比較法と収益還元法について、調査報告書を見る限り森井鑑定は”かなりざっくり”と評価してますね(笑)
報酬が10万円と安い簡易評価なので、ざっくり評価するのは当然ですけど。
中古マンション評価で重要な点は?
中古区分所有マンションの評価で最も重要なのは、「立地」すなわち
「周辺に新築マンションや築浅の中古物件の供給があるかどうか」
です。 日本人は新築マンションが大好きだから、というのがその理由です。
周辺に新築マンションが供給されれば、競争力のない中古マンションの成約価格は一気に下落してしまいます。
区分所有の個別的要因
中古マンション市場では一般的に築年の新しい物件が好まれますが、中古の物件同士であれば、建物の維持管理の良否などの個別的な要因が価格に大きく影響します。
説明しよう!「区分所有の個別的要因」とは
建物に係る要因
- 建築(新築、増改築、移転)の年次
- 面積、高さ、構造、材質等
- 設計、設備等の機能性
- 施工の質と量
- 建物の階数
- 維持管理の状態 など
専有部分に係る個別的要因
- 階層・位置
- 日照、眺望、景観の良否
- 室内の仕上げ、維持管理の状態
- 専有面積、間取りの状態
- 隣接不動産の利用の状態
- エレベーターなどの共用施設の利便性の状態
- 敷地に関する権利の態様、持分
- 区分所有者の管理費などの滞納の有無
今回の物件「ブライズ早稲田東」
ファンド詳細は会員限定情報なので、詳細はブログで書けませんが(案件分析しにくくなりましたね)、可能な範囲で分析した内容を書いてみました。
維持管理の状態
中古マンションは築浅が好まれますが、維持管理の状態がよければ選ばれます。
対象は築16年とやや古いものの、外観写真とグーグルマップで対象不動産を見る限り、維持管理の状態は普通です。
立地、生活利便施設
- 東京都新宿区で有楽町線「江戸川橋」駅まで徒歩4分
- スーパー、コンビニなどの利便施設は充実
JR山手線内側のワンルームマンション。駅・コンビニに近い物件は選考性が高いですね。
専有面積・需要者
- 専有面積23㎡でワンルームとしては普通。バストイレ別、オートロックあり。
- 典型的な需要者:都心勤務の単身者
規模、設備も普通。賃料が手頃であれば、都内勤務の単身者向けワンルームの空室リスクは低いでしょうね。
賃料水準
23㎡のワンルームマンションにしては、ちょっと想定賃料は高いかな、と思いましたが、SUUMOで調べたところ、エンド賃料は8万円前後といったところでしょうか。
採用賃料は「相場より同程度、あるいはやや高い水準」かなと思います(すみません、ブログで実際の賃料を書けません)。
物件価格
森井鑑定で採用している取引事例は高いですね(私見です)。
詳細は書けませんが、最終的にブリッジシーキャピタルで採用している物件価格は、森井鑑定の評価額より保守的に査定されています。
ただ!ブリッジシーの採用ベースの物件価格でも、築年が同程度の中古マンションと比較すると、まだ少し高いかなと思います。
売却時
対象不動産は単身用の中古ワンルームマンションで、売却先には個人投資家も含まれます(言い方は悪いですが、不動産素人の投資家も含む)。
また、レジは景気に左右されにくいので、運用期間9カ月のうちに、売却に苦戦することはなさそうです。
不動産初心者に人気のワンルームマンションだし、ブリッジシーキャピタルの得意分野だから...出口は大丈夫そうだな。
利回り
森井鑑定の”粗利”はブログで書けませんが、実際は敷金収入(運用益)、礼金収入もあるし、空室等損失もあるので、粗利は本当に参考程度ですね。
ちょっとこの粗利が低いですね。
運営側はできるだけ粗利を下げたい気持ちもあったかもしれませんね。
粗利が低い→物件価格が高い→賃料が高い
となるわけですが、物件価格を高く査定すれば投資家の分配金(優先出資)やブリッジシーキャピタルの分配金(劣後出資)が大きくなるので、物件価格を高く査定するというインセンティブが働きます。
東京都内の中古区分所有マンションのキャップレートとの比較、区分所有建物特有のリスクも踏まえると、トッティが考える実際の純利回りは4.3%程度。
今回の採用粗利は、やや低いと思います(粗利は純利より高くなります)。
説明しよう!区分所有建物特有のリスクとは
区分所有の場合、区分所有特有のリスクを考慮するため、その分の利回りが高くなります。
1棟まるまる保有する場合と異なり、他の居住者の存在が運用に悪影響を及ぼすこともあるから、そのリスクを事前に利回りで考慮しておく、というのがその理屈です。
結論
「森井鑑定の評価額はやや高い。実際に採用している物件価格は保守的に査定されてるものの、今回の投資対象の査定にはやや無理がある」という意見です(私見です)。
ブリッジシーキャピタルの10%劣後出資もありますが、今回は投資を見送りたいと思います。
※あくまでトッティの私見で、妥当性を保証するものではありません。
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【クラウドファンディング投資額集計】
業者 | 投資額 | 累計分配金 |
SBISL | 3,500,000円 | 87,754円 |
オーナーズブック | 3,000,000円 | 36,926円 |
maneo(109万円期失) | 1,910,000円 | 246,712円 |
クラウドバンク | 1,760,000円 | 241,712円 |
CREAL | 1,100,000円 | 8,505円 |
LCレンディング | 300,000円 | 9,588円 |
Funds | 300,000円 | 2,421円 |
FANTAS funding | 300,000円 | 0円 |
クラウドクレジット | 200,000円 | 16,846円 |
SAMURAI | 200,000円 | 0円 |
合計 | 12,570,000円 | 650,464円 |