不動産クラウドファンディング投資研究所

サラリーマンを卒業した不動産鑑定士が、不動産クラウドファンディングに投資してみた

【TECROWD初の国内ファンド】利回り11%のグループホーム

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驚きました。これまでモンゴルが対象だったTECROWDから、初の国内ファンドで、しかも不動産クラファン初?のヘルスケア(グループホーム)の登場です。

 

実は本ファンドについて、会員限定で先行してメール連絡があったのですが、「一般公開は8月10日」とあったのでブログに書くのは控えていました。

 

ただ、たまたま見かけた某○村では一般公開前にガンガン書かれて盛り上がってまして・・・(笑)

 

あ、くれぐれもどうこう言いたいわけではありませんよ。その辺の境界線が良くわかってませんで、個人的には一応、一般公開を待ってご紹介しようかと思った次第です。

 

今後のこともあるので、念のためTECROWDの運営に「ブログで書いていいタイミング」について質問してみました。回答はこちらです。

 

会員の皆様には、特典として一般公開前の情報をいち早くお届けしておりますが、情報の転載等については特に制限などは設けておりません。

ただし、会員の皆様にお届けしている情報は、あくまでも公開前の情報の一部となりますので、記載等いただく際はお客様の慎重なご判断の上、お願いいたします。

(引用)TECROWDメールを抜粋

 

「個人で慎重に判断してね」とのことですね。了解です!

 

さて。一般公開されたTECROWDの新ファンドですが、物件は障がい者向けグループホーム「AMANEKU平塚田村」です。

 

来ましたね~、グループホーム。ヘルスケア関連では先日、融資型クラファン「FUEL」がサ高住(有料老人ホームの一種)を募集して驚きましたが、それ以来でしょうか。

  

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ヘルスケアアセットについては、J-REITで2012年にオリックスがJ-REITで4年ぶりに老人ホームを取得して話題になって以降、不動産投資としてすっかり定番になりました。

 

当時のオリックス物件は非常に話題になりましたし(僕も複数回見に行きました)、個人的にもけっこうな数のヘルスケア施設を鑑定させていただきました。

 

不動産クラファンはJ-REITで流通したものが数年遅れて流通する傾向にあるので、今後、不動産クラファンでもヘルスケアアセットが増えていくと予想してます。

 

ということで、初めてづくしのTECROWDの新ファンド。さっそく内容を見ていきたいと思います。

 

→TECROWD

 

 

TECROWD 8号ファンドの概要

   

まずはTECROWD8号ファンドの概要はこちらです。

 

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  • 想定運用期間:4.5ヶ月(136日)
  • 募集予定金額:7,650万円
  • 最低出資金額:10万円
  • 想定利回り(年利):11.0%
  • 劣後割合:5%
  • 1口当たりの配当予定額:4,098円
  • 販売開始予定日:2021年8月11日15:00~

 

→TECROWD

 

利回り11%、高いですね。思うところは後述するとして、これまでのTECROWDはインカム型(賃料収入)でしたが、今回はキャピタル型(売却益)です。

 

募集額は7650万円と高額で、期間は4.5ヶ月と短期ですね。

 

ここで気になったのは劣後割合が5%と低めであること。基本的にソシャレンでは金商法上、損失補填が禁止されていて、すべてではないものの、不特法でも準用されています。

 

つまり、不特法でも損失補填の行為が禁止されていると解釈されるので、「劣後割合が5%」と低い点は、元本毀損リスク要因として認識しておいた方がよいですね。

 

ただ、TECROWDによると売却先は既に決まっているようです。売却代金が配当原資になるので、まあ、安心感はあるのかなと。

 

「AMANEKU平塚田村」の物件情報

  

  • ファンド名:TECROWD 8号ファンド
  • 障がい者向けグループホーム「AMANEKU平塚田村」
  • 所在:神奈川県平塚市田村7丁目6247番3(地番)
  • 物件種別:寄宿舎(グループホーム)
  • 竣工年月:2021年11月末竣工
  • 構造・規模:木造2階建て
  • 敷地面積:168.71㎡
  • 建物面積:延199.56㎡

 

「AMANEKU平塚田村」で検索すると住居表示がわかりました。グーグルマップで見ると、どうやらここのようですね。

 

 

写真では民家が建ってますが、取り壊されてグループホームを建築するんでしょう。竣工は2021年11月となってます。

 

周りは区画整然としていて戸建住宅が多く、閑静な住宅街が広がっています。取得土地単価は15.6万円/㎡。首都圏の地方都市としては高くもなく、低くもないですね(ざっくりだな~w)。

 

ちなみに建築単価は24.6万円/㎡。まあ、木造にしてはやや高いかなとも思いますが、今は建築費が高騰してますから許容範囲かと思います。

 

グループホームの注意点

 

ヘルスケア関連施設は「オペレーター(施設の運営者)」が重要で、オペレーターの手腕が物件価格にも大きく影響します。ちなみに、本件の運営は横浜の株式会社AMATUHI(あまつひ)です。

 

障害を持つ方向けグループホームの専門業者で、平塚のほか、神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県などでも工事を進めていて、地方を中心に精力的に活動するグループホーム専門のオペレーターのようです。

 

あとはそうですね。不動産価格に間接的に影響する入居者の賃料ですが(入居者の賃料から家賃負担率を査定する)、ネット情報ですが本施設の賃料は4.1万円~5.1万円でした。

 

一般的に、グループホームのエンドの賃料(費用全般)はヘルスケア施設の中では低めですし、サ高住よりも低くなります。普通に考えれば介護度が高い分、賃料も高くなりそうですが、まあ、介護報酬率も高くなりますし、行政の補助もありますからね。

 

ここで僕が勝手に家賃負担率まで妄想して物件価格まで概算すると運営に迷惑がかかるかもしれませんし、正確性も欠くので、深掘りはやめておきます(本当は時間がない言い訳です)。

 

うーん。地方の「平塚のグループホーム」か~。立地面から見た一般的な不動産利回りはどのくらいになるんでしょうね。

 

利回りは鎌倉より高くて小田原より低くなる感じかな・・・。東京なら八王子あたり、埼玉なら所沢あたり、大阪なら高槻あたりのヘルスケア施設をイメージすれば良いかもしれません(思いつきで適当です。話半分でお願いします)。

 

まあ、事業用不動産で、しかも開発型。利回りは一般的なレジデンスよりは高くなります

 

ただ、物件利回りが11%になるということはまずないので、今回の投資家の利回りはボーナス&ブロガーによる拡散効果を狙って、幾ばくか乗せてくれてるのかもしれませんね。

 

まとめ

 

最後にまとめます。

 

  • TECROWD初の国内不動産かつグループホームという特殊アセット
  • 劣後割合が5%と低めであることは、リスク要因として認識すべき
  • 開発型かつ運営能力が問われるグループホームは事業用不動産として一定のリスクあり
  • とはいえ既に売却先は決まっており、立地&アセットの相場から見て利回り11%はお得感あり

  

それでは暑い日が続きますが、健やかにお過ごし下さい。

  

\高利回りの海外不動産に分散投資/

TECROWD

 

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