投資の時間

不動産鑑定士のリアル資産運用(投資予算3000万円)

【持家か賃貸か】収益価格で資産価値を把握する方法

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今は千葉の賃貸マンションに住んでますが、子供が増えることもあり、いい物件があればそろそろ持家もありかな、と考えてます。

 

せっかく不動産鑑定士の資格を持っているので、自分の住んでいる賃貸マンションの価値を査定してみて、不動産の永遠のテーマである「結局賃貸が得なのか?、持家が得なのか?」を考えてみました。

 

 

 

1.賃貸マンションンの価格

 

さっそく評価の結論からです。

 

家族3人で住んでいる賃貸マンションの価格(区分)はこちら、どどん!

 

・・・800万円(え、安・・・!)

 

※概算額なので、正式な鑑定評価額ではありません。

そんなに大した値段ではないと思っていましたが、想像の上を行きました!

 

今回、査定した価格は積算価格と収益価格です。

 

積算価格と収益価格とは、簡単に言うと↓でしたね。

 

  • 積算価格(供給者の視点):土地価格と建物価格の合計(土地価格+建物価格)
  • 収益価格(需要者の視点):その物件の持つ収益力から価値を査定

 

投資家は、不動産を使用することによる効用を基にした「需要者価格=収益価格」から物件価値を判断するのですが、多くの不動産業者は、その不動産の相対的希少性を基にした「供給者価格=積算価格」をベースに値付けしています。

 

そして、その積算価格と収益価格はこちら。

 

  • ①積算価格:738万円
  • ②収益価格:807万円
  • ③評価額 :800万円(①と②を調整し、②を重視)

 

今回は、②の収益価格を重視して、800万円と査定しています(査定根拠は一番最後に付けてます!)。

 

2.収益価格を重視した理由

 

これまで日本では、自分の住む家は収益性よりも快適性を重視する傾向にありました。

 

でも最近では米国のように、ライフスタイルに合わせて住宅を買い換えていく人も増えています。

 

住宅を住み替えるためには、「流動性」(売りたいときに売れる)と「収益性」(高い値段で売れる)が重要になります。

 

流動性と収益性がないと、ポンポンと住宅を買うことはできませんよね。

 

物件の収益性を重視する人が増えているので、価格の査定においても収益価格を重視しています。

 

 

3.今の賃貸マンションを買い取った場合

 

今の賃貸マンション(区分)の価格が800万円と査定できました。

 

ここで、例えばこの800万円を今すぐ用意して、住んでいる賃貸マンションを買い取った場合のことを考えてみます。

 

今のぼくの家の賃料(共益費、駐車場代込み)が月9万円です。年間では9万円×12カ月=108万円になります。

 

800万円÷108万円≒7.5年分

 

となるので、800万円は約7年半の家賃分です

 

単純計算では、「7年半以上住むのであれば、今すぐこの賃貸マンション(区分)を買い取って持家にした方が得だな」、ということが分かりました。

 

4.投資案件としてみた場合

 

今の賃貸マンションを買い取って、これをまた別の人に賃貸する、つまり投資物件とした場合はどうでしょうか?

 

今、800万円を出してこのマンションを買って、今と同じ家賃9万円を維持したまま、すぐに第3者に賃貸できると仮定します。かなり楽観的なシナリオですがw

 

この場合、年間108万円の家賃収入が入ってきますので、800万円の投資元本を回収するには7年半かかるという計算になります。

 

粗利回りで108万円÷800万円≒13.5%です。

 

この計算にはざっくり計算なので、敷金・礼金・更新料などの収入や経年による賃料下落は考慮していません。

  

そもそもオーナーがこの値段で売ってくれるか分かりませんけどねw

 

粗利で13.5%は悪くない利回りのようにも思えます。

 

でも!投資はきちんと純利回りで考えましょう!

 

この他、リフォーム代、諸経費もかかります。

 

さらに、土地がない区分所有建物なので、経年により建物は減価償却していきます。賃料も維持できないでしょうし、空室リスクも考慮すると純利回りは10%を切るかもしれません。

 

このように考えると、わざわざ投資物件として買う必要はないかなと思います。

 

利回りについてはこちらに詳しく書いてます。

関連記事:【保存版】不動産鑑定士が教える知らないと損する利回りのこと

 

それに、今住んでる賃貸マンションを買い取って投資物件とした場合、今度は自分たちが住む家を新たに購入するか借りなければなりません

 

5.持家か賃貸か

 

持家になると、引っ越したいときにすぐに引っ越せないのが最大のネックなんですよね。。。飽きっぽいのか、ぼくも妻も10回近く引っ越ししている引っ越しマニアなので。

 

家族の増減もあるでしょうし、人生のライフスタイルに合わせて住むところを選ぶ生き方をする場合、賃貸の方が相性がいいと思います。

 

それに持家になると日本ではまだ不動産の流動性が高くなく、売りたくなったときに希望の値段で売れるとは限らないですよね。

 

一方、持家のメリットはこんなところ。

 

持家であれば建物グレードも良くなるし、居住の満足度も向上します。

 

また、ずっと同じところに住むのであれば、金銭的な面からは家賃を払い続けるよりも買った方が得なのは明白です。

 

言い方が悪いかもしれませんが、資本主義の世界で家賃を払うということは、オーナー側に搾取される側にいる、ということですから。

 

投資家目線では持家がよいということになります。

 

6.まとめ

 

まとめると、何が正解というわけではなく、持家か賃貸は自分の価値観やライフスタイルに合わせて決めるのがよい、ということですね。

  • 住む場所を自由に選ぶ生き方をしたい場合、賃貸の方が相性がいい。
  • ずっと同じところに住むのであれば、金銭的な面では家賃を払い続けるよりも買った方が得だ。
  • 持家でも賃貸でも、収益価格で考えるといいよ。

 

持家か賃貸か悩まれている方の参考になればうれしいです!

 

 

7.査定の詳細

 

自分メモとして、査定の詳細を書いておきます。

 

①積算価格        :738万円
②収益価格        :807万円
③評価額(①と②を調整) :800万円

 

①積算価格の諸元の一部
 土地単価     107,000円/㎡
 建物再調達原価  300,000円/㎡
 現価率            30%
 
②収益価格の緒元の一部

<収入>
賃料(月額)     70,000円
共益費(月額)    10,000円 
駐車場(月額)    10,000円
敷金         70,000円
礼金              70,000円
住宅稼働率               92%
駐車場稼働率              90%
回転期間                    5年(住宅、駐車場ともに)
契約更新期間                  2年
礼金収入                1カ月
更新料収入               1カ月
賃貸手数料               1カ月(負担割合50%)
原状回復費 15,000円/坪(負担割合60%)
内容更新期間                 6年

 

<費用(年額)>
維持管理費     50,000円
PMフィー    30,000円(賃料収入の3%)
修繕費         105,000円
大規模修繕費 248,000円
公租公課    37,000円(土地建物の固定資産税・都市計画税
損害保険料   16,000円

 

<利回り>
還元利回り      5.8%
割引率        5.5%
最終還元利回り    6.0%

 

<DCF法>
3年ごとに家賃収入3%の下落を想定