不動産クラウドファンディング投資研究所

サラリーマンを卒業した不動産鑑定士が、不動産クラウドファンディングに投資してみた

建物価格の秘密【不動産クラウドファンディング編】

 

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懇意にしていただいているブロガーさんとのやりとりで「建物価格」の話になったのですが、そういえばこれまでちゃんと書いてませんでしたね。

 

ということで、今回は不動産クラウドファンディングの建物価格のカラクリというか・・・テクニック的なことについて書いてみようと思います。これってけっこう重要なので。

 

早速ですが、鋭い方は不動産クラファンに投資していて「土地価格が高いんじゃない?」「建物価格が低いんじゃない?」と思われかもしれませんね。

 

最初に答えを書くと、収益物件は時として「建物価格の比率を低く、土地価格の比率を高く」評価するインセンティブが働きます。

 

その理由は、建物は減価償却費を費用に計上するため、建物価格が高いと費用がかさみ、純収益(NOI)が低くなり、利回りが圧縮されることになるからです。

 

なるべく分配率を高めようと思ったら、建物価格は低い方がいいのです。

 

ただ、当然ですが土地建物総額は変わらないので、建物価格の比率が低くなると、相対的に土地価格の比率が高くなる、という理屈です。

 

 

ここからはちょっと専門的な話になりますが、上記は土地価格と建物価格をそれぞれ査定して合算させる「積算価格」のお話です。

 

で、以降は物件の収益性に着目した「収益価格」のお話です。鑑定評価を取っている不動産クラファン業者は積算価格と収益価格の2つを公表してくれますよね、あれです。

 

収益価格において、建物価格は「修繕費」や「資本的支出(建物価値を高める支出のこと)」のほか、「火災・地震保険料」にも紐付いていて、これらの費用は基本的に建物価格に比例します(例外もあります)。

 

ですから、積算価格における建物価格が高くなると、収益価格を査定する際の上記の費用も嵩むことになり、結果としてNOIが低くなり、利回りも低くなってしまいます。

 

リートや不動産クラファンでは、収支の安定性と分配率が重視されるのですが、両価格の査定において建物価格が高いと投資家や事業者への配当を圧迫する可能性があるので、できるだけ建物価格の比率を低くしたい(土地比率を高めたい)というわけです。

  

結局、不動産は土地と建物は不可分で一緒に売却しますからね。土地比率、建物比率は多少の調整は可能というわけです。

 

ただ、程度問題ですので一概に「全部そうだ!」とはなりませんけども。考え方を知っておくと、物件を分析する際、おもしろいと思います。

 

 

まあ、これは裏技というかあくまでテクニック的な話であって、物件価格は市場価格が前提ですけどね。

 

本当はあまり言っちゃいけないと思うので・・・なんというか、今日の話は本ブログに留めていただいて、ここだけの秘密にしておいてください。

  

ではでは。今日も一日お疲れ様でした。

 

 

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