CREALの「ホテル アマネク 浅草吾妻橋スカイ」は初回にもかかわらず募集8.8億円、利回り4.2%で満額成立しましたね。
ただ、不動産の利回り4.2%の意味を理解している投資家って本当にいるのでしょうか?
素人が推薦していたら気をつけろ!
クラウドファンディングの「利回り」について正確に書いているブロガーが皆無だったので、ここで整理しておきます。
CREALのホテル案件のような大型収益物件の利回りについては、不動産投資家や不動産屋であってもその意味を理解していませんし、不動産のプロである不動産鑑定士でも、大型の証券化案件を評価した経験がない限り、その本質を理解している人は限られます。
ソシャレン業界では唯一OwnersBookの運営会社ロードスターキャピタルに所属する不動産鑑定士なら十分理解しているはずですが、今回は置いておいて。
利回りについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
ましてやクラウドファンディング投資家は、利回り4.2%の意味を分かっていないまま投資していると思われます。
単純に与えられた利回りを表面的にとらえていると、いつかは失敗しますよ。
投資ブログだって基本的に素人が書いてますから。僕だって金融は素人です。経験の薄い人が「ネットで調べた上っ面の」耳当たりのよいことを書いていたら注意です。素人であることを認め、失敗談もきちんと書いているブロガーさんを信じましょう。
不動産利回りと価格の関係
貸付型のソーシャルレンディングの金利利回りではなく、クラウドファンディングは「不動産収支の利回り」です(不動産用語でCapレート)。
CREALのホテルを例にすると、
利回り(Capレート4.2%) = 不動産純収益(非公表) ÷ 鑑定評価額(9.7億円)
となります。鑑定評価額9.7億円のうち、諸経費を除いた8.8億円が今回投資家に募集されました。
利回りと不動産価格の関係は上記式から分かるように
- 利回りが高くなれば不動産価格が低くなる。
- 利回りが低くなれば不動産価格が高くなる。
という関係にあります。
不動産利回り4.2%となった理由
CREALの例でいうと、
「不動産収支に対する利回り4.2%なので、鑑定評価額が9.7億円になった。よし、諸経費を差し引いて募集金額は8.8億円だ!」
というストーリーを考えるのが通常です。逆に言うと
「8.8億円の募集金額を集めるために(物件価格を9.7億円と高くするために)利回りを4.2%まで下げた」
とも考えられます。
卵が先か鶏が先か
「卵が先か鶏が先か」という話で、「利回りが決まって募集価格が決まったのか?」または「募集価格が決まっていて利回りをそれに合わせたのか?」は外部からは分かりません。
僕の予想では後者です。
その理由は収益特化型ホテルとはいえ、4.2%の利回りは、
- 立地条件(隣が墓地)
- 建物条件(グレードがそこまで高くなく、規模が小さい)
- 今のホテル市況(利回り下限)
- リート、ファンドのホテル案件との比較
などから、かなり低いと思ったからです。普通のJリートなら買わないんじゃないかな...。
これらの詳細はこちらの記事で詳しく解説しています。
2019年はCREALがブレイクする
いずれにしても、不動産投資型クラウドファンディングは物件詳細が確認できることで透明性が確保されています。
これは投資家にとってとても歓迎すべきことで、投資家側がこのように与えられた情報をもとに投資物件の内容を精査することができるからです。
CREALはいきなりホテル案件と面白いことをやってくれましたし、個人的にも2019年はCREALのクラウドファンディングには注目しています。
今年はCREALがブレイクする予感です。
もちろん、OwnersBookは言うまでもなく。ぜひ大型物件やヘルスケア案件なんかも登場させて欲しいですね。ありきたりの金太郎アメ的な区分所有はもう飽きましたw
CREAL募集案件で、面白い大型案件が出れば僕も裏で物件評価するつもりですし、2019年はCREALに200万円まで運用額を増やすつもりです。