こんにちわ、トッティです。
不動産専門のクラウドファンディングには、CREALやFANTAS fundingがあり、僕の元同僚もいる不動産鑑定士集団のソーシャルレンディングにはOwnersBookがあります。
これらの不動産専門業者に共通するのが、投資対象(担保物件)が東京都心にあることですね。
FANTAS fundingの空き家は地方だけど、今回は空き家は置いておくよ。
証券化(小口化)された投資用不動産の最近の傾向には、「アセットの多様化」と「地方への分散化」があります。
このうち、「アセットの多様化」については、こちらで解説してますので、
CREAL第3弾の大型物件を予想【成長している投資用不動産市場は?】
今回は「地方への分散化」について「3分」で読めるように解説しました!
都道府県別の取得実績の推移
まずはこちらのグラフをご覧ください。
- 青い折れ線グラフ:東京都内の証券化対象不動産の割合
- 茶色い折れ線グラフ:東京都以外の証券化対象不動産の割合
これらの推移をみると、
- 平成22年は東京都の割合が66%だったのが、平成29年では40%まで減少。
- 平成22年の東京都以外の割合が34%だったのが、平成20年には60%まで増加。
という風に、「東京」と「東京以外」で、投資物件の割合が逆転してきていることがわかります。
特に神奈川県、千葉県、愛知県あたりが増加しています。
地方に不動産証券化の波が広がったことが分かるね。
地方にも証券化の波が波及している理由
都心5区を中心に高値圏の取引が続いていましたが、このところ、首都圏の取引に一服感がでてきました。
これには原因があって、一言でいうと「東京都心には築年の新しい優良な投資用不動産が少なくなっているから」です。
取得競争が激化したことで物件の量が不足し、質も低下している状況。
都内の投資用物件は慢性的な供給不足になっている反面、地方ではまだ高利回りの物件も残っています。
地方都市の証券化対象不動産も限定的
ただし、地方でも絶対数は少なくなってきており、「東京都心に比べるとまだまし」というレベル。
リーマンショック後の物件需要の高まりは、地方へと流れましたが、地方圏の取引件数・取引額も安定してきてますので、地方圏の更なる拡大余地も限定的です。
地方も厳しくなってきたのか・・・
工夫次第では地方でも拡大余地もある
でも、地方の投資物件って工夫次第だと思うんですよね。
借地権付き建物や市街化調整区域
借地権付き建物であっても積極的に採用したり(OwnersBookでもありましたね)、大型物流施設であれば、市街化調整区域に開発することもあります。
説明しよう!市街化調整区域とは
市街化を抑制する区域のことで、建物建築には開発許可が必要になる。調区と略す。反対に市街化区域は市街化を推進する区域のこと。
調区の物件は、これまで「建て替えの際の開発許可」がリスクと考えられていましたが、
今は調区でも開発しやすい条例を定めるといった行政の後押しもあって、開発も増えてきました。
実際のところ、僕も調区にある倉庫やホテルなどのリート物件を何件も評価してきましたが、調区だったとしても、リスクプレミアムの縮小が見られ、市街化区域と大差ない価格に近付いてきてます。
農地に大規模な物流施設
さらに、もっと田舎では農地に投資用物件を開発した例もありますよ。
千葉県流山市では外資系リートGLPが日本最大級の大型物流施設を開発しましたが、
もともとは農地だったところに、時間をかけて農地転用許可を取得して開発した
という経緯があったりします。
不動産クラウドファンディングは地方に広がる!
これまで、機関投資家向けの大型投資物件を中心に話をしてきましたが、CREALが扱う物件であれあば、価格的にも数億円と小規模で、フットワークも軽い。
CREALは房総半島の端っこのホテル(ちくらつなぐホテル)をファンド化させたね。
今後は不動産クラウドファンディングでは、首都圏以外の地方(京都、北海道、沖縄あたり)にどんどん投資対象が広がると思います。
地方物件は東京に比べて利回りが高いことはもちろんですが、地方には地方ならではの個性的な物件があります。
例えば千葉なら倉庫が多いですし、京都なら旅館、北海道や沖縄ならリゾートホテルなど。
地方にお金が流れることで地方創生にもつながりますし、おもしろい物件ならばクラウドファンディングとの相性も良さそうです。
今後は「地方への進出」という視点でクラウドファンディングを観察してみると、おもしろいかもしれませんね。