不動産クラウドファンディング投資研究所

サラリーマンを卒業した不動産鑑定士が、不動産クラウドファンディングに投資してみた

「不動産クラウドファンディングは利回りが低いから、リスクが低い」という勘違い

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不動産の利回りについては、耳にたこができるほど記事にしてますが(#しつこくてすみません)、めちゃくちゃ大事なので何度でも投稿します!

 

もしかしたらまだ、「不動産投資型クラウドファンディングは利回りが低いから、リスクが低い」と勘違いされてる方が少なくないのかな~と思いますので、かんたんに利回りについて、説明させていただきますね。

    

\待望の不動産クラウドファンディング!/

Jointoα(ジョイントアルファ)

 

 

ソーシャルレンディングと不動産クラウドファンディングの利回りの違い

 

一般的にソーシャルレンディングでは、募集利回りが低いほど融資先への貸出金利も低くなるので、貸倒れリスクは低くなります。

 

一方、不動産クラファンでは、利回りは物件価格に直結してるので(※)、利回りが低ければ物件価格が高くなります

 

※厳密にいうと、業者側の取り分の調整により、募集利回りと物件利回り(キャップレート)は異なることがあります。

 

つまり、「利回り = 賃料 ÷ 物件価格」という関係にあるので、賃料が一定だと仮定すれば、分母の物件価格が大きくなり、左辺の利回りが低くなるという理屈です。

 

なので、よくソシャレンと混同されがちですが、不動産クラファンは「利回りが低すぎると物件価格が高く評価されてるため、かえって売却リスクが高まる」ことになります。

    

ここまで、大丈夫でしょうか?では、業者の利回り水準については次の章で・・・

 

不動産クラウドファンディングは業者によって利回り方針が違う

 

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不動産クラファンには、RimpleCREALFANTAS fundingジョイントアルファSYLA FUNDINGなどがありますが、僕が見る限り、各業者の利回りの査定水準はまちまちです。

 

ぶっちゃけると、個人的には「上場企業と、そうでない企業は利回りに差があるな」と感じてます。

 

これは、「実績がある企業と、実績をこれから作っていく企業の利回りには差がある」と言い換えてもいいかもしれません。

 

つまり、「募集実績」や「業者の報酬」は物件価格に比例しますので、実績が乏しい企業は、実績を作るために強気な価格(=低い利回り)を付けるインセンティブが働くことになります。

 

ほうほう、なるほど。業者の実績を見てばいいってこと?

 

各業者の実績やカラーに着目する

 

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例えば、僕たち不動産鑑定士がリートなどの取引利回りを分析する際には、「投資法人の資産規模」も考慮します。

 

投資法人の資産規模は「3000億円」がひとつの目安になっていて、

 

資産規模が小さい場合、規模を増やすために物件取得に積極的になっている可能性があるため、利回りを下げる(物件価格が高くても買う)要因になるからです。

 

また、各プレイヤーの投資方針や投資目線によって、利回りの水準も変わってきます。

 

ケースバイケースではありますが、オープンな取引の方が価格が高くなる(利回りが低くなる)傾向にあり、スポンサー取引は価格は安定する(利回りが安定する)傾向があります。

 

何が言いたいのかというと、各業者の実績やカラーを見れば、利回りが強気なのか、保守的なのかが読めてくると思います。

 

ただ、社会貢献的な意味合い(ESG不動産など。収益に重きを置いていない)だったり、各業者の背景や鑑定を依頼している「鑑定業者」の性格があるので、一概には言えませんが・・・

 

次に、不動産クラファンで押さえておくべき「利回りの種類」を見ていきますね。

 

取引利回りと期待利回りと鑑定利回りを区別しよう

 

不動産クラファンには、主に3つの利回りが登場します。「取引利回り」「期待利回り(募集利回り)」「鑑定利回り」です。

 

利回りにはもっとたくさんの種類がありますが、不動産クラファンでは、この3つの利回りが基本です。

  

【関連記事】

クラウドファンディングで大切な3つの利回り【取引利回り・期待利回り・鑑定利回り】

 

ジョイントアルファの利回りを例に

 

ちなみに、僕はリートなどの投資物件の評価を何百件としてきましたが、”投資家が”なるべく損をしないような価格(利回り)を心がけてます。

 

※不動産鑑定評価基準という法律にも「不動産鑑定士は投資家に不測の損害を与えないこと」と謳われてます。

 

そのうえで、個人的に各業者の各ファンドを利回りからのアプローチで分析してみると、評価の感覚が近いのはジョイントアルファかな~と思います。まあ、運営の穴吹興産は鑑定業者でもありますしね。

 

ただ、特に名前は挙げませんが、ベンチャー企業で会っても初期の頃と比べ利回りが保守的(手頃)になってきた業者もあります。その理由はその業者に実績が伴ってきたからなのかもしれません(僕の勝手な推測です)。

 

高すぎず、低すぎない手頃な利回り(=物件価格)になってきたことは、僕のような安全志向の投資家にはいい兆候ですね。

 

まとめ

 

最後にまとめますね。

 

  • ソシャレンと不動産クラファンの利回りは、考え方が全く異なります。
  • 不動産クラファンでは、物件利回りが低すぎると売却リスクが高まります。
  • 業者の実績と利回りには、相関関係があることがあります。
  • 業者の実績にも着目して、自分の取れるリスク(利回り)にあった投資先を選びましょう。

  

参考になればうれしいです。      

 

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