不動産クラウドファンディング投資研究所

サラリーマンを卒業した不動産鑑定士が、不動産クラウドファンディングに投資してみた

【SBISL】メガソーラーブリッジローンファンドの利回り7%は妥当?

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こんにちわ、ポンコツです。

 

SBIソーシャルレンディングから「SBISLメガソーラーブリッジローンファンド25号」の募集があります。

 

あいかわらずSBISLの供給は安定してますね。

 

本ファンドは「太陽光発電事業者」向けの貸付ファンド「かけはし」シリーズ。玄海インベストメントアドバイザーとの共同ファンドです。

 

玄海キャピタルグループは、ヘルスケアのAM(アセットマネジメント)業を得意とする不動産投資会社ですね。

 

近年、存在感を高めてて、僕の住む千葉でも、柏市などで私募ファンドとして築浅の老人ホームを取得したりされてます(見たことがあるけど、けっこういい物件だった)。

 

今回は、開発型メガソーラーファンドのリスクについて検討してみました。

 

 

  

SBISLメガソーラーブリッジローンファンド25号

  

  • 名目利回り:7.0%
  • 資金使途:太陽光発電事業資金
  • 運用期間:約12カ月
  • 募集期間:2019年12月18日10:00〜
  • 募集額:11億5,900万円

 

重要なポイントを整理するとこちら。 

 

  • 抵当権:地上権
  • 担保評価額は算出していない
  • 売電価格:21円/kWh
  • 太陽光事業中の純収益を約17億4,500万円(運営収益22億2,900万円-運営費用4億8,400万円)と算定(収益価格)
  • 返済原資:太陽光事業の権利の売却代金(売電開始後

 

SBISLのいうところの収益価格は、発電所の建設が予定通りに完了し、売電が開始され、売却することになった場合の事業価値の評価額ですね。

 

LTVに換算すると66%です。

 

今回の事業用地としての開発対象は林地ですが、林地の開発許可を取得しているのかは不明です。

 

ただ、役所と開発許可から調整していたのでは、あまりに時間がかかりすぎるので、さすがにそこはクリアしてると思いますが...どうなんでしょう?

   

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太陽光発電は稼働するまでが大変

 

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太陽光発電事業って、稼働すれば維持管理費が大きくかからず、安定した収益を生むシステムになるのですが、稼働するまで大変です。

 

  • 開発素地となる林地や休耕田の候補地検討
  • 地主との取得交渉→難航する場合あり
  • 素地取得→規模が大きいため総額がかさむ
  • 行政に開発許可申請→調整は時間がかかる
  • 土地造成→林地は斜面なので造成費が高い

 

↑を経てパネルなどの設備を設置し、ようやく発電施設が稼働します。

 

つまり、安定した収益を生むまでには、膨大な「時間」と「費用」がかかります。事業認可されてから稼働まで、数年間を要することも多くあります。

 

開発が頓挫するケース

 

僕の住んでいる千葉県って、高い山がないんですよ。最高で400mくらいです。

 

平坦地が多いので、売電価格が下がる前は、太陽光パネル用地としての素地取引が多くありましたが、売電価格が下がってきた昨今、取引はずいぶん少なくなりました。

 

太陽光発電事業と、僕たち不動産鑑定士との関りは、素地を取得する時の土地の評価です。

 

そこで開発業者の話を聞くのですが、無事に開発にいたるまでには幾多の苦労があるようです。

 

苦労①:素地が高い

 

大抵の業者は少しでも素地を安く仕入れたいと思っています。なぜなら、その他、造成費や機材費などに莫大な費用がかかるからです。

 

ただ、山を持ってる地主も「どうせ太陽光パネルやるんでしょ?」と、足元を見てふっかけてくることもよくあるそうです。 

 

「山林」として取得するのと「太陽光パネル用地(雑種地)」として取得するのとでは、土地価格が全然違います(後者が数倍高い)。

 

苦労話をよく聞きましたが、スケベ心を出してくる地主との調整で、計画が頓挫してしまう可能性も考えられます。

 

苦労②:行政の開発許可

 

また、行政や森林組合との開発許可申請を一つとってみても、民間では信じられないくらい時間がかかります。

 

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鑑定までとったのに、一向に話が進まないなんてこともありました。予定どおりのスケジュールで許可が得られるとは限りません。

 

まとめ

 

今回は担保価値の検証(利回りの検証)までやってる時間はありませんが、もろもろのリスクを考慮すると、本ファンドの利回り7%は低いようにも思えます(私見です)。

 

投資を検討される方は費用・期間リスクを十分に検討された方がよいかもしれません。

 

僕なら、堅い「不動産担保ローン事業者ファンド」に投資しますけど.....

 

ただまあ、とんでもない信用力のSBIグループです。今回も11憶が即完でしょう。

  

 


    

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業者 投資額 累計分配金(税引前)
Rimple 200,000円 0円
クラウドバンク 878,000円 315,313円
creal 1,120,000円 60,352円
Funds 900,000円 15,403円
SAMURAI FUND 750,000円 21,332円
CRE Funding 600,000円 287円
SBISL 1,600,000円 237,596円
FANTAS funding 1,750,000円 18,938円
SYLA FUNDING 150,000円 2,130円
OwnersBook 1,500,000円 171,843円
Pocket Funding 100,000円 5,866円
Jointoα 100,000円 0円
CAMPFIRE Owners 200,000円 0円
クラウドクレジット  100,000円 29,048円
ASSECLI 30,000円 0円
COOL 0円 111円
maneo(109万円期失) 1,890,000円 309,044円
LCレンディング 0円 18,831円
合計 11,868,000円 1,206,094円