不動産クラウドファンディングは、「不動産特定共同事業」に基づいたスキームで運用されます。
この知っているようで、実はよく知らない不動産特定共同事業。漢字が9文字続く時点で難しく感じます。
ただ、不動産クラファンの浸透により不動産特定共同事業の実績がどんどん増えていますので、ここでいったん整理しておきたいと思います。
2021年となった今でこそ、不動産クラファンの浸透によりよく耳にするようになりましたが、不動産特定共同事業が制定されたのは1994年。今から27年も前です。
その後、2017年の法改正により、小規模不動産特定共同事業(※)が創設されたほか、オンライン契約に対応することで不動産クラウドファンディングが誕生するきっかけになりました。
(※)小規模不動産特定共同事業の主な条件
- 投資家一人あたりの出資額が100万円を越えない
- 投資家からの出資総額が1億円を越えない
- 資本金1000万円 など
不動産特定共同事業に基づいたスキーム(長ったらしいので、以下、不特法スキームとします)とは、
- 不特法の規制をクリアした不動産会社が事業主体となって、
- 投資家から出資を受けて現物不動産を取得し、
- 賃料収入、売却益を投資家と事業者で按分する。
という内容です。
不特法スキームを作るには、審査機関である国交省との調整や多額の資金が必要になるほか、負債は一定割合以下であることや、不特法や金商法にもとづく情報開示も要求されます。
不特法の主な許可要件
- 資本金:第1号は1億円、第2号は1000万円、第3号は5000万円、第4号は1000万円
- 宅建業の免許
- 良好な財産的基礎、人的構成など
- 業務管理者の配置(不特事業3年以上など)
官庁の監督下にあるため届け出なども必要になり、それらが不特法スキームの安全性を高める要因にもなっています。
では、なぜ不動産会社が不特法スキームを活用して不動産クラファンを始めるのかと言うと…
インターネットでサクッと投資家から資金を集めやすくなる、というメリットのほかに、物件の取得にかかる登録免許税が低くなったり(移転:2.0%→1.3%、保存:0.4%→0.3%)、不動産取得税が2分の1控除されるという税制上のメリットも生まれるからです。
一般的な不特法スキームを使った不動産クラファンの特徴としては、J-REITと比較して物件の規模が小さいことや、築古物件の再生事業などにフィットしていることなど。
実際に不動産クラファンでは再生案件が多いですよね。
日本の不動産市場では、J-REITや不特法による市場規模は約27兆円とされています(国土交通省「令和元年度不動産証券化の実態調」調べ)。
27兆円と聞くと「多いな~」と感じるかもしれませんが、日本の不動産の総額は約2847兆円(内閣府「国民経済計算(令和元年度)」調べ)もあるので、不特法で流動化できる不動産はまだまだあります。
ということで、これからもどんどん不特法スキームを使った新しい不動産が登場するはず。楽しみですね。
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