不動産クラウドファンディング投資研究所

サラリーマンを卒業した不動産鑑定士が、不動産クラウドファンディングに投資してみた

【maneo300万円償還】短期ファンドのダウンタイムリスクを利回りで考慮する方法

 

このところ、ソーシャルレンディングの記事が多くなってきました。仮想通貨や株価の混乱時はポートフォリオの資産配分でソーシャルレンディングを増やしたくなるのです。はい、ぼくはチキンです。

 

今後もポートフォリオ資産の主力として投資額を徐々に増やしていく方針で、現在運用額は700万円を超えました。毎月3~4万円(税引後)の安定したキャッシュフローがあります。1軍主力メンバーのmaneoでは、償還金が300万円を超えました。

 

今回は、短期償還が魅力で人気の高い「短期ファンドのダウンタイムリスクを利回りで考慮する際のスプレッドの計算方法」について解説します。

 

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maneoからの分配金と償還金

 

日本のソーシャルレンディングの開拓者maneo。2018年10月の償還金は300,060円、分配金は13,432円(税引後)、合計313,492円が返還されたので、全てmaneoで再投資しました。

 

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maneoでは 2017年9月から投資を始め、これまでの元本償還額は3,095,122円、利息収入は178,673円(税引前)となりました。

 

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ソーシャルレンディングを分かりやすく解説した記事はこちら。

www.investment3000.com

  

maneoで知っておくべきニュースとして、2018年7月に金融庁から行政処分を受けました。maneoの関連会社に不正融資があった件で、maneoに管理責任が問われた事件です。今は金融庁による融資先開示の動きもあり、ソーシャルレンディング業界全体の整備が進んでいます。

 

maneoの行政処分についてはこちらの記事でも書いています。合わせてどうぞ。 www.investment3000.com

 

業界トップのmaneoで行政処分があったので、第2位のSBIソーシャルレンディングもここぞとばかりに高利回りの案件数を増やしてきましたね~。下剋上、あるかもしれませんね。

 

再投資先と確認ポイントの整理

 

今回、再投資したファンドは2つ。

 

1つ目が「事業性資金支援ローンファンド1346号」。運用期間は4カ月で担保物件は付いておらず、期待利回りは8.6%と高めです。これまで固めの利回りのファンドを選ぶことが多かったのですが、運用期間が4カ月と短いため、それに見合うだけのリターン(リスク)をとりに行きました。

 

運用期間が短いと、運用が開始されるまでと運用が終了してから償還金が振り込まれるまでのダウンタイムがあるため、長期間運用するファンドと比べると利回りにストレスがかかります。

 

ダウンタイムリスクを利回りに反映する際の計算方法については、詳しくは「3.ダウンタイムリスクを利回りで考慮する」で解説します。

 

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このファンドへは16万円投資しました。投資収益シュミレーションでは4カ月の運用で3,981円(税引後)の利息収入が得られる見込みです。

 

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2つ目が「事業性資金支援ローンファンド1311号」。運用期間は14カ月で担保物件が付いており、期待利回り6.6%とややマイルドです。

 

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このファンドへは15万円投資しました。投資収益シュミレーションでは14カ月の運用で9,449円(税引後)の利息収入が得られる見込みです。

 

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リスクを管理することで、誰でも簡単にポートフォリオ資産から不労所得が得られます。「金持ち父さん貧乏父さん」は何度も読みましたが、金持ち父さんの教え「自分のポケットにお金を入れてくれる資産を買いなさい」をようやく実践できました。

 

超零細ながら独立した今、改めて本書を読み返すとサラリーマン時代とは違う気付きがあります。同書では、「E=従業員」「S=自営業者」「B=ビジネスオーナー」「I=投資家」に区分し、「E=従業員」「S=自営業者」から「B=ビジネスオーナー」「I=投資家」に移行することを推奨しています。

 

ぼくは独立して「E=従業員」から「S=自営業者」になったものの、相変わらず毎日忙しく働いてますw(自分の選んだ仕事をしているので毎日楽しいですが)。ただ、このままでは金持ちにはなれないため、「I=投資家」にも移行しました。今後10年で「I=投資家」による資産総額1億円、そして今の「S=自営業者」を「B=ビジネスオーナー」まで成長させたいと思っています。

 

金持ち父さんシリーズでは個人的に「キャッシュフロー・クワドラント」が一番おすすめです。

改訂版 金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント:経済的自由があなたのものになる (単行本)

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話を戻すと、maneoはクラウドバンクなどと同様、ファンドの運用期間中に毎月分配があり、運用最終月に分配金と同時に元本が一括で償還されるシステムになっています。

 

これとは別に、最後の元本償還時にまとめて分配金が支払われるファンド(クラウドクレジットなど)もあり、最後の元本償還時にまとめて分配金が支払われる方が複利効率が良いので利回りは高くなります。完全に好みの問題ですが、ぼくは利回りは少し低くなっても、毎月キャッシュフローが得られる方が好みです。

 

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最後に貸付スキームでに注意して確認するポイントを整理しておきます。

  • 担保不動産が付いているか否かを確認する。担保付きはデフォルトした際のリスクが抑えられるが、利回りが低くなる。逆に担保なしはデフォルトした際のリスクが高くなるが、利回りも高くなる。
  • 債務不履行となった場合の返済は担保不動産の売却代金を原資とするため、担保不動産の評価額を確認し(評価額のうち実質的な担保余力を確認)、評価額が融資額より高くなっているファンドを選ぶ。

 

編集後追記)「事業性資金支援ローンファンド1311号」はmaneoから連絡があり、融資キャンセルになりました。あらら。融資決定後、キャンセルになったのは初めてでした。15万円は投資講座に返金されたので、他のファンドに投資します。

 

借り手への貸付条件が変更になったためキャンセルとさせていただきます。

 

ダウンタイムリスクを利回りで考慮する

 

先ほど、 「運用期間が短いファンドはダウンタイムリスクを利回りで考慮した方がいいですよ」と書きました。

 

ファインドの募集が始まり、運用が開始されるまで約1週間、そして運用が終了し、償還金が変換されるまで約1週間かかります。1つのファンドの募集から償還までの期間で、運用されない期間(ダウンタイム)は2週間あることになります。

 

短期運用(4カ月)と長期運用(12カ月)のファンドを、ともに1年間運用すると仮定します(短期運用(4カ月)は運用が終了すると即同様のファンドに再投資すると仮定する)。

 

  • 短期運用:4カ月×3回運用できる。1年間のダウンタイムは2週間×3回=6週間。
  • 長期運用:12カ月×1回運用できる。1年間のダウンタイムは2週間×1回=2週間。

 

短期運用(4カ月)と長期運用(12カ月)のダウンタイムの差は、1年間で6週間-2週間=4週間になります。

 

今回の「事業性資金支援ローンファンド1346号」の利回りは8.6%です。短期運用(4カ月)と長期運用(12カ月)で同じ利回り8.6%とすれば、1年間を52週として各々のダウンタイムリスクをスプレッドとして利回りで考慮(年利換算)すると、次のようになります。

 

  • 短期運用(4カ月):8.6%×運用期間46週÷52週=年利7.6%
  • 長期運用(12カ月):8.6%×運用期間50週÷52週=年利8.3%
  • 利回りの差は長期運用8.3%-短期運用7.6%=0.7%

 

短期運用(4カ月)では、ダウンタイムリスクのスプレッドが0.7%加算されていると考えられるため、期待利回りは8.6%であっても、純利回りは8.6%-0.7%=7.9%となります。

 

このダウンタイムスプレッドは期待利回りが大きければスプレッドも大きくなり、期待利回りが小さければスプレッドは小さくなります。運用期間や期待利回りにもよりますが、ざっくり言うと年利0.5~1.0%程度のスプレッドだと考えておけば良いと思います。

 

まとめると、「期間の短いファンドを選ぶ場合、年間0.5~1.0%程度のダウンタイムリスクのスプレッドを期待利回りから控除する」ということになります。期間の短いファンドの利回りは高いことが多いですが、年利で考えるとそこまで利回りは高くならないケースもあります。

 

大きな元本を運用している場合、利回り0.7%のインパクトはそれなりに大きいですよ。運用額が300万円であれば、300万円×0.7%=2.1万円ですので、年間収入2.1万円の差になります。

 

逆に言うと、運用期間の短いファンドは元本償還が早いため、元本300万円のうち運用益2.1万円くらい利息収入が少なくなることを気にしないのであれば、期間の短いファンドを選ぶことでリスクヘッジになります。

 

リスクと利回りはコインの表と裏の関係にありますので、運用期間が短いもの、長いもののどちらを選んでも間違いではありません。ぼくは再投資が面倒になることがあるので、最近は長期投資ファンドを選ぶことが多くなってきました。