maneoから「沖縄県石垣市ファンド」の債権回収メールが届きました。
maneoの本領発揮と言いましょうか、「1ミリも進展がない」ことはいつも通りですが、メールを読む限り「だってどうしようもないもん!」っと、管理者としてもう完全にさじを投げているような印象を受けました。
はあ・・・トッティは本ファンドで16万円つかまってます。
maneoの記事を書くのも、もう辞めたいよ・・・。
- 沖縄県石垣市ファンドの概要
- 遅延が発生した経緯
- maneoからのメール
- 売却予定価格はホテル建設後の事業収支を前提とした土地価格
- 開発許可の取得には調整が必要
- リゾートホテル市況は2極化が進行
- maneoにやる気はないと思う
沖縄県石垣市ファンドの概要
- 借り手:不動産事業者O
- 融資目的:ホテル開発用地の取得のため
- 貸付金額:6億円
- 担保物件:沖縄県石垣市の土地26,300㎡
- 売却予定価格:8億円
- ノンリコースローン
- 貸付時期:2018年4月
甘酸っぱい「売却予定価格」という名の「業者の言い値」価格です。
遅延が発生した経緯
これまでの経緯を箇条書きするとこちらです。
- 借り手(O)が2018年12月末にホテルの開発許可申請を行い、大手建設業者が対象地を購入する予定だった。
- オペレーター選定に苦戦し、開発許可に必要な事業プランが作成できず延滞。オペレーター選定に向けて動く。→7/10進捗なし
- オペレーター選定とは別に、マネオが別ルートで購入希望者を探している。→7/10進展なし
- 債権額満額には至らないが、当初より高い金額での買付証明書を受領したとの報告あり。→7/10シレっと記載がなくなった
- 競売の申し立て中(7/10)
※赤字が追記部分。
maneoからのメール
maneoからの意味のないメールを敢えて引用してみます。
下手にまとめるより、原文のまま記載した方が「やる気のなさ」が伝わると思ったので。
これまでご報告いたしました当社主導の販売活動につきましては、結果として進展を得ることができませんでした。
前回ご報告のとおり、「当社は、最終貸付事業者である不動産事業者Oとは債権回収の場面において直接的な折衝が出来ない立場にあり、また、本件担保不動産の売却には他の債権者との調整も伴って」くるところで、事業者C社に不動産事業者Oに対する回収交渉の任に当たるよう要請いたしましたが、難航の末、進展見通しが立ちがたい状況となっております。
一方、不動産事業者Oが開発許可申請に向けてホテル運営事業者の決定に向けた協議を行っていることをお伝えしておりましたが、こちらにつきましても現時点では特筆すべき進展がございません。
上記の売却活動につきましては進捗を適宜管理いたしますが、あわせて事業者C社は競売を申立てております。
引用:maneoメール(太字部分はトッティが補足)
「投資家が求める情報がない」のはいつものとおりですが、今回のメールの裏には「maneoは直接、債権回収に動けないから知らん」っという「あきらめ」と「言い訳」の感情が伝わってくるような気がするのは、僕だけでしょうか。
内容で一つ気になったのは「競売」の申し立て中とのこと。
このままホテルを開発せずに、現況の更地のままの競売では、売値は二束三文となる可能性が高いと思います。
時間はかかっても「ホテル開発に向けて動いた方がいい」点は後述します。
売却予定価格はホテル建設後の事業収支を前提とした土地価格
土地のほか、一部に小さな建物もあるようですが、ホテルを開発をする際に既存建物は取り壊すと思います。建物価値をゼロとすると、
売却予定価格8億円 ÷ 土地面積26,300㎡ ≒ 土地単価30,000円/㎡
所在や用途地域もわかりませんので断定はできませんが、リゾートホテルなので、対象は海沿いか、内陸の自然の中にあるんでしょう。
「開発許可が必要」と書かれているので、造成が必要な土地、つまり林地や傾斜のある原野、雑種地などが考えられます。農地というケースもあるかもしれません。
山林や農地、原野なら土地単価は数百円/㎡、雑種地だとしても土地価格5,000円/㎡以下でしょうね。
売却予定価格では土地単価30,000円/㎡となりますが、開発前の土地としては30,000円/㎡は高いので、売却予定価格は「ホテル建設後の事業収支を前提とした土地価格」になっているはず。
このままホテルを開発できず、現況のまま土地を売ったとすれば(高く売れたとして)、土地単価5,000円/㎡で計算すると、
5,000円/㎡ × 26,300㎡ ≒ 1.3億円
です(私見です)。
8億円はおろか、債権額である6億円での売却も厳しくなり、大問題になります。
なので、ホテルを開発しないという選択肢は絶対に避けたいところです。
開発許可の取得には調整が必要
今回のような「開発型ファンド」はリスクが大きいですね。竣工前の案件は、開発がデフォルトするリスクと常に隣り合わせです。
今さらながら、これだけリスクが高くて利回り5.5%って低すぎますね。リスクとリターンが合わなすぎるけど、maneoはどうやって利回りを決めてるんでしょう。
それに開発許可の取得には膨大な時間がかかります。
例えば、トッティが山林に太陽光発電施設を開発する際の鑑定評価を行ったときは、クライアントが行政に”開発許可の申請をするだけで半年”かかったこともあります。
開発許可は、「行政が事業計画を見てから許可を出す」という順番です。
今回のケースでは、「ホテルのオペレーターが決まらないので、事業計画も出せない」という状況。
仮に運よくオペレーターが決まったとしても、開発許可までの道のりは長く、行政の各部署との調整が必要です。
maneoからのメールでは、「開発許可申請」をもって大手建設業者が対象地を購入する予定とありますが、行政は基本的に「開発許可がおりる見込の物件にしか申請を受け付けない」ので、申請前の段階で、各部署との調整をすませておく必要があります。
一概には言えませんけれども、行政は縦割りで仕事が超遅い(関係者の方がいらっしゃればすみません)。
開発許可の申請に必要な調整には、相当な時間がかかることもあります。
リゾートホテル市況は2極化が進行
本件では「ホテルのオペレーターが決まらない」ことが問題になってますので、オペレーターの立場から、最近のリゾートホテルの投資市場を分析しておきますね。
リゾートホテルは、投資の規模が大きいほど選考される傾向にあります。
なので、対象の規模が26,300㎡と大きい点はプラス要因かと。
優良な投資物件は積極的に検討する動きがある一方で、ホテルの立地や客室のスペックが劣る物件では需要が低く、2極化はより鮮明になっています。
オペレーターは優良物件を選別するので、優良物件は安定的な需要が期待できますが、競争力の低い物件では市場性が低下している状況です。
ホテルは競合ができると、経営が苦しくなる傾向にありますが、観光地である石垣島には競合となりそうなリゾートホテルは多いです。
これから対象地に開発するホテルに競争力はあるのか?という点もオペレーターが重視するポイントです。
オペレーターは、当然これらの「立地」や「競争力」の分析はするはずですので、オペレーターがうまく決まらない理由は、ホテル市況分析や事業プランが甘いのかもしれません(私見です)。
maneoにやる気はないと思う
本ファンドは特に先行きが不透明なうえ、メールを見る限り「逃げ腰」なので、maneoは既にやる気も失っているようです。
延滞ファンドが多すぎで、仕事が回ってないんでしょうね。
本ファンドはこのまま長期化する可能性が高いだけでなく、競売になると事態はさらに悪化することも予想されます。
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【クラウドファンディング投資額集計】
業者 | 投資額 | 累計分配金 |
SBISL | 3,150,000円 | 101,320円 |
OwnersBook | 2,850,000円 | 40,114円 |
maneo(109万円期失) | 1,910,000円 | 255,735円 |
クラウドバンク | 1,730,000円 | 255,738円 |
CREAL | 850,000円 | 13,158円 |
FANTAS funding | 450,000円 | 0円 |
SAMURAI | 450,000円 | 1,000円 |
Funds | 300,000円 | 2,421円 |
LCレンディング | 300,000円 | 12,670円 |
クラウドクレジット | 200,000円 | 16,846円 |
合計 | 12,190,000円 | 699,002円 |