投資家に大きな不安を与えている「maneo川崎市ファンド」の担保が「競売」にかけられてます。
トッティは本ファンドに20万円つかまってますが、なんとか生きてます。
これまでの経緯
同ファンドのこれまでの経緯をまとめるとこちらです。
売却の前提となるmaneoの提示データ
- 当初の担保の評価額は16億円
- 15億円で売却を目指す(競売も検討)
- 12億円で売れれば元本毀損はない
競売データ
- 売却基準価格:5億2,730万円
- 最低売却価格:4億2,184万円(売却基準価格の80%)
- 保証額:1億546万円(売却基準価格の20%)
- 入札期間:2019年6月29日まで
- 出典:BIT不動産競売物件情報サイト
競売の鑑定データ
- 土地価格:1億3,534万円
- 建物価格:3億9,196万円
- 合計:5億2,730万円
- 現地調査日:2019年1月26日
- 評価書の発行日:2019年2月25日
トッティの概算データ
- 土地価格:1億3,000万円
- 建物価格:1億5,000万円
- 合計:2億8,000万円
- 概算日:2019年2月6日
詳細はこちら
競売評価とトッティの概算額
偶然にも、競売評価と同じ頃にトッティも机上で概算してました。
土地価格
トッティは「宅地と山林にわけて」概算したのに対して、競売評価では「宅地も山林も一体として」評価しています。
土地価格は競売1.35億円、トッティ概算1.3億円とほぼ同じでしたね。
建物価格
建物価格は正確な延床面積や築年数、躯体・設備比率などの詳細が不明なため、トッティは超ざっくり概算でした。
グーグルマップでは、建物の老朽化が進んでいるように見えましたが、ふたを開けてみると、建物は築13年と思ったより新しかったこともあり、競売評価では3億9,196万円とトッティ概算1.8億円よりも高く査定されてました。
ただし、競売の評価書にも「建物使用には大規模修繕が必要で高額の費用が予測される」と記載があるとおり、競売評価では購入後の大規模修繕費は考慮されてません。
数億円はくだらないであろう大規模修繕費が足かせとなり、さらに価格を押し下げる可能性もあると思います。
競売評価額と一般鑑定の違い
競売評価では、競売特有の減価があります。
競売が安くなる理由
【豆知識】投資家はおさえておきたい競売価格が安くなる理由。競売はお得じゃない?
競売評価の5億2,730万円は、減価率-30%を考慮した価格であるのに対し、一般鑑定(トッティの概算)では一般経済市場の価格なので、この減価がありません。
っと考えると、競売を担当された不動産鑑定士は、けっこう高く評価されたようですね(それでも当初の担保の価格よりは大幅に安いですが)。
maneo側の「売却予定価格16億円」が、少し影響したのかどうか・・・僕にはわかりません。
その他の所感
対象には温泉(源泉)があるようです。
概算時のブログでは、もし温泉施設だったならば、今勢いのある「大江戸温泉リート」に売却するというシナリオもあったかもしれないと触れてましたが、まさか本当にあったとは・・・
ただし、そのまま医療施設として使うなら開発許可が不要ですが、温泉施設としての利用する場合、新たな開発許可が必要となります(川崎市ヒアリング)。
その他、地下1階は水没しているという衝撃の写真もありましたし、窓ガラスは破損。建物は閉鎖後10年以上使われておらず、維持管理の状態が著しく劣っています。
案件担当者のコメントがむなしい
今となっては、当初の案件担当者のコメントがむなしく響きます。
案件担当者からのコメント
今般、不動産事業者CUへ仕入資金として融資いたします(借り手は事業者C)。担保物件は、業者買取価格の約75%程度の取り組みであり、保全について問題ないと思料しております。
案件担当:コシオ
担当数:533 件
貸付金額:87.71 億円
不動産仲介、不動産担保ファイナンス会社を経てmaneoに入社致しました。
担保を厳しく評価し「安全」をモットーに案件をお届けいたします。
投資家の皆様と愛犬の為に日々頑張ります!
「担保のスペシャリスト」のコシオさん、愛犬の為にがんばってください。
格安で売却するソーシャルレンディング業者
元本毀損の可能性については、深く掘り下げるのは止めておきますが、低順位の担保で投資していた場合、回収は難しいのかもしれません(私見です)。
担保の処分については投資家が口を出せないため、これまで勝手に格安でサービサーへ債権譲渡する業者もありました。
投資家に不利な条件で債権を売却されてきたね。
これに対して、例えばSAMURAIでは、万が一デフォルトし、債権を売却することになってしまった場合、投資家の金額ベースでの過半数の同意が必要としています。
で、maneoがどちらのタイプかというと・・・言うまでもありませんね。
maneoは毎回どうでもいいメールばかりで、本当に知りたい情報はなんで連絡しないんでしょうか。 こういう競売情報こそ、投資家がネット経由で知る前に事前にはっきりと提示すべきでしょう。
「債権の売却には投資家の同意が必要」としたSAMURAIとは大違いです。
【クラウドファンディング業者一覧】
荒波にもまれ変貌を遂げるか?話題独占のFunds(ファンズ)を徹底分析
【不動産鑑定士が解説】FANTAS funding(ファンタスファンディング)の評判・メリット・デメリットまとめ
【不動産鑑定士が解説】CREAL(クリアル)の評判・メリット・デメリットまとめ
【ソーシャルレンディングの実名化の流れは止められない】クラウドバンク実名化対応
【クラウドファンディング投資額集計】
業者 | 投資額 | 累計分配金 |
SBISL | 3,500,000円 | 101,320円 |
オーナーズブック | 2,850,000円 | 40,114円 |
maneo(109万円期失) | 1,910,000円 | 251,298円 |
クラウドバンク | 1,730,000円 | 248,394円 |
CREAL | 800,000円 | 11,125円 |
LCレンディング | 300,000円 | 10,730円 |
Funds | 300,000円 | 2,421円 |
FANTAS funding | 300,000円 | 0円 |
クラウドクレジット | 200,000円 | 16,846円 |
SAMURAI | 200,000円 | 0円 |
合計 | 12,090,000円 | 682,248円 |