不動産クラウドファンディング投資研究所

サラリーマンを卒業した不動産鑑定士が、不動産クラウドファンディングに投資してみた

【ソーシャルレンディング】LTVの「Value」に注目して投資リスクを軽減

f:id:investment-totty:20190618231834j:plain

 

ソーシャルレンディングをやってると、「LTV(Loan to Value)」をよく目にしますよね。

 

どの「Value」を採用しているかで、LTVの結果は大きく変わってきます。

 

例えば”maneo”と”SBISL”では、使ってる「Value」が違うんだよ。

 

そうなの?何が「Value」なのかなんて、気にしたことなかった・・・

 

 

LTVとは価値に対する貸付の割合

 

一般的なLTV(Loan to Value)は、「価値に対する貸付の割合」です。

 

  • Loan:貸付(社債や借入金など)
  • Value:価値(物件価格)
  • LTV=貸付 ÷ 価値

 

例)貸付8000万円 ÷ 担保1憶円 = LTV80%

 

LTVの数値が低いほど安全性が高くなり、80%以下が一つの目安になってます。

 

LTVの「Value」が何なのか?

 

例えば、ソーシャルレンディング大手のSBISLとmaneoで、担保で採用しているValueを比べてみると、

 

  • SBISL:資金の貸し手のValue(レンダーズバリュー)
  • maneo:資金の借り手のValue(売却予定価格)

 

となっていることが多いです。

 

貸し手は「分母のValue(担保)を低くしてLTVを高く見積もっておきたい」というインセンティブが働きますが(※)、

 

借り手はできるだけ多くの融資を受けたいため、「分母のValue(担保)を高くしてLTVを低く見せたい」と思うはずです。

 

(※)例えばレンダーである銀行が融資をする際には「担保掛目」をかけて、担保として提供された物件の価値をはじいています。

 

銀行の担保掛目

 

  • 担保掛目:一般的に80%
  • 担保の価格:1億円
  • 担保としてのValue:1億円 × 80% = 8000万円

 

※担保掛目をかけることで、分母のValueを減らし、LTVを高く(保守的に)見積もる。

※LTVが高いほど、金利の高いローンになる(逆もしかり)。

 

LTVの「Value」に注目した方がいい理由

 

分母のValueには、いろんな評価があります。

 

どのValueを採用しているのか、主要なソーシャルレンディング業者で当てはめてみました。

 

 

※OwnersBookは明確に担保は「鑑定評価額」とうたってませんが、不動産鑑定士が多く在席しているので、鑑定評価額も含めました。

 

鑑定評価額は「時価」、マーケットバリューは「市場の評価」(≒時価)なので、流動性リスクが低いのに対して、

 

貸し手のValue(レンダーズバリュー)は”貸し手”が評価しているのでブレることもあり(※)、借り手のValueは”借り手”が評価しているので、投資は避けた方が無難かと。

 

(※)例えばレンダーが慎重になり過ぎて、過剰なリスクのもと物件価値を算出すると、LTVが高くなり過ぎて融資先が限定されることがあります。

 

(ややこしいな・・・)つまり、SAMURAIやOwnersBookの採用してる「鑑定評価額」や「マーケットバリュー」を選んでおけば、市場で売れないリスクが低くなるってこと?

 

そう。その他にも「簿価」のValueなんかも考えられますが、簿価は買った時の価格なので、「時価」とのブレは大きくなるよ。

 

LTVの「Value」に注目して投資リスクを軽減

 

リートの世界では当たり前のように使われるLTV。

 

ソーシャルレンディングでは、ついLTVをパッっとみただけで投資してしまうこともあると思います。

 

「何がValueなのか」という切り口からも投資の安全性が見えてくる、というお話でした。

 

今回の記事、言いたいことはわかる気がするけど、ちょっとわかりにくかったなー

 

ごめんやで!またそのうちリベンジするから、堪忍してや!

    


  

【クラウドファンディング業者一覧】

 

Funds

Funds

荒波にもまれ変貌を遂げるか?話題独占のFunds(ファンズ)を徹底分析 

 

FANTAS funding

FANTAS funding

【不動産鑑定士が解説】FANTAS funding(ファンタスファンディング)の評判・メリット・デメリットまとめ

 

CREAL

CREAL

【不動産鑑定士が解説】CREAL(クリアル)の評判・メリット・デメリットまとめ

   

 

クラウドバンク

クラウドバンク 

【ソーシャルレンディングの実名化の流れは止められない】クラウドバンク実名化対応

    


  

【クラウドファンディング投資額集計】 

業者 投資額 累計分配金
SBISL 3,500,000円 101,320円
オーナーズブック 2,850,000円 38,610円
maneo(109万円期失) 1,910,000円 251,298円
クラウドバンク 1,730,000円 248,394円
CREAL 800,000円 11,125円
LCレンディング 300,000円 10,730円
Funds 300,000円 2,421円
FANTAS funding 300,000円 0円
クラウドクレジット 200,000円 16,846円
SAMURAI 200,000円 0円
合計 12,090,000円 680,744円