こんにちわ、トッティです。
リートのインヴィンシブル投資法人(INV)の分配金が98%減と、どえらいことになってます。
利回りは15%越えから、限りなくゼロへ急降下。
(出典)JAPAN-REIT「インヴィンシブル投資法人」の利回り推移
- リーマンショック時のニューシティ・レジデンスの破綻
- INVのホテル「マイステイズ」は好調だったが....
- 固定賃料はリート負担で減額される模様
- コロナでホテルリスクが顕在化
- INVが破綻すると他のアセットも影響あり
リーマンショック時のニューシティ・レジデンスの破綻
まっさきに僕の頭をよぎったのは、リーマンショック後2008年のニューシティ・レジデンス投資法人(NCR)の破綻でした(個人的に僕が鑑定士になりたての頃で、よく覚えてます)。
資金繰りの問題でNCRが破綻した後は、確か大和ハウスリート(カスタリア系)や双日、スターツプロシードなんかが物件を取得してましたが、後継が決まるのは「レジだったから」という要因が大きかったと思います。
INVは「ホテル」リートで、主なブランド(運営)は「ホテルマイステイズ」。つまり、物件の貸主はINV(リート)で、借主がマイステイズ・ホテル・マネジメント(MHM)という関係です。
INVのホテル「マイステイズ」は好調だったが....
MHMの前身はウイークリーマンション東京です。聞かれたことがある方も多いのではないでしょうか。その後フレックスティ・ホテル・マネジメントに変わり、さらにMHMに変わりました。
個人的には千葉にもマイステイズがあるので注目してますが、立地が良い宿泊特化型で、競合はグレードが同程度のビジネスホテル。客室にフットマッサージをつけたり、エントランスにコーヒーサーバを置いて競合との差別化を図り、INVの公表資料によるとADR(客室単価)やOCC(稼働率)も絶好調だったと記憶してます(もちろんコロナ前)。
ホテルの賃貸借契約は通常、10年程度の長期に及ぶのですぐには解約ということになりませんが(解約しても今は後継が入ってくれるとも限らない)、確かマイステイズは固定賃料と変動賃料の両方だったと思います。
固定賃料はリート負担で減額される模様
このご時世、変動賃料はもうゼロに近いとして、分配の原資だった固定賃料はマイステイズ(運営)ではなく、INV(リート)が負担とのこと。
クラウドファンディングCREALでいうところの、固定賃料(≒投資家への分配金)をホテル運営(転借人)ではなく、ブリッジ・シー・エステート(転貸人)が負担するようなものですね。
固定賃料はその名のとおり、通常は契約で「賃借人側から減額を請求できない(例外あり)」と決められてるはずですが、今回のコロナ禍ではどうしようもなかったんでしょう...特例として減額されるようです。
当然、ホテルGOP(営業利益)も赤字でしょう。
コロナが続く限り、低迷は一時的なものでもなさそうです。
コロナでホテルリスクが顕在化
昨今は民泊や中古ビルをリノベーションして簡易ホテルに転用するケースも増えてきたので、そろそろ「ホテル作りすぎじゃない?(ただし東京のホテルは除く)」とブログで10回くらい書いたと思いますが、コロナでいっきにボラティリティが顕在化してしまいました。
ホテル市場は、ファンドバブル期に過熱した後、リーマンショックを期に低迷。東日本大震災までは厳しい状況が続きましたが、その後は回復。インバウンドの増加やレンダーの融資姿勢も積極的で、金融市場も追い風もあって大躍進しました。
しかし今回のコロナで再び一気に奈落の底へ。今ではレンダーの融資姿勢も悪化してるでしょうし、ボラティリティの大きなアセットであることを再認識させられました。
オリンピックが開催されればインバウンドを取り込め、ホテル運営パフォーマンスも向上するのですが、来年開催もどうなるかわかりません。当面はADR、OCCは元に戻りそうもない状況が続きます。
ただ、ホテルは競合が新規に参入することで事業収支が大きく変動するので(=高リスク)、逆に言えばコロナの影響でデフォルトするホテルが出てくれば、競合が減りADR、OCCが落ち着くとも考えられます。
それまでINVがもつのかわかりませんが。
INVが破綻すると他のアセットも影響あり
いくらリートホテルは全体的に高利回りとはいえ、ちょっと手が出せない状況です。ホテルを牽引しているリートだけじゃなく、それがホテル系クラウドファンディングでも同じですね。
万が一、資金繰りでINVが破綻した場合、他のアセットへの影響も出てくると思います。リーマンショックでNCRが破綻し、リート低迷期が2年間続いたように。
今はリートはパニック売りから回復していますが、個人的にはINV次第でリートは2番底の可能性もありそうな気がします。
固定賃料が減額されれば、ダイレクトに物件価格も下落しますし、キャッシュフロー悪化に加えて将来の不確実性も確実にキャップレート(利回り)を押し上げる(=物件リスクを高める)はずですから。そもそも個人的に、リートは「つま先立ち」だと2~3年前から思ってます。
念のため、いつでもリートに投資できるよう、資金を準備しておこうと思います。
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【クラウドファンディング投資額集計】
業者 | 投資額 | 累計分配金(税引前) |
OwnersBook | 1,700,000円 | 154,045円 |
SBISL | 1,320,000円 | 221,081円 |
maneo(109万円期失) | 1,890,000円 | 300,186円 |
クラウドバンク | 577,000円 | 312,253円 |
creal | 1,120,000円 | 50,748円 |
FANTAS funding | 950,000円 | 17,903円 |
SAMURAI FUND | 650,000円 | 17,560円 |
Rimple | 200,000円 | 0円 |
Funds | 500,000円 | 15,403円 |
SYLA FUNDING | 200,000円 | 0円 |
CRE Funding | 100,000円 | 287円 |
Joint α | 100,000円 | 0円 |
クラウドクレジット | 200,000円 | 16,846円 |
Pocket Funding | 142,000円 | 4,745円 |
ASSECLI | 30,000円 | 0円 |
COOL | 0円 | 111円 |
LCレンディング(終了) | 0円 | 18,831円 |
合計 | 9,677,000円 | 1,129,999円 |