今日で3月も最後。皆さん、いかがお過ごしでしょうか?
今回はふと思いついた首題のテーマで「不動産クラファンで投資する際に僕が重視していること、あまり重視していないこと」について書いてみたいと思います。
不動産クラファン投資で重視していること:利回り
最近、不動産クラファンでは高利回りのファンドが増えましたが、僕が投資する際、インカムとキャピタル合わせて利回りが5%以上を基準としています。
もちろん、投資物件が「都心か地方か」、「新築か築古か」、あるいは「キャンペーンがあるか」なんてことも総合的に勘案するので一概には言えないのですが・・・
事実として利回り5%以下だとスルーすることが多くなりましたね。
ただ、ご存じのとおり利回り重視派には注意点もあって、一般的に不動産の利回りとはリスク(不確実性)の裏返しです。
※ここで言うリスクとは「期待するリターンのバラツキの程度」のことで、プラスのリターンもマイナスのリターンも含まれます。
当たり前ですが、プラスのリターンが大きければ、当然マイナスのリターンも大きいと覚悟しましょうっていう話です。文字通り「ハイリスク・ハイリターン」ですね。
少し小難しい方程式を書かせていただくと(不動産鑑定を多少かじってます)、不動産の利回りには
「不動産の利回り=国債利回り+不動産固有のリスク」
という式があります。平たく言えば「最も安全な利回りに、どの程度の危ない橋の渡り賃を足せばよいのか」が不動産の利回りです。
ですから、くれぐれも「利回り5%以上」というのはそれだけ振れ幅も大きくなるので、万人にお勧めできる基準ではありませんこと、申し添えます。
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特に、不動産には他の金融商品とは違って固有のリスク要因が多いですからね。投資判断が非常に難しい商品です。
例えば不動産の固有リスクには、「市場リスク」、「法的リスク」、「物理的リスク」なんかがあります。
【関連記事】不動産のリスクって何?
その中でも不動産クラファンでどうしても自分では確認できないのが「物理的リスク」ですね。
物理的リスクとは具体的に、
- 地盤、埋設物、土壌汚染などの土地に関するリスク
- 耐震性、有害物質の使用などの建物に関するリスク
などです。これらは基本的に自分の目では確認できませんから、事業者や鑑定業者を信じるしかありません。
まあ、がんばれば現地や市役所まで行って自分で調べられなくもないんですが(僕も3~4年前は実際に物件を見に行ったりしてましたが)、コストも手間も時間もかかるので、限られた時間のなかでそこまでやるのは難しいかと思います。
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あと僕が利回りで考慮しているのはインカムとキャピタルの割合です。
投資の回収時点で売却損益を加算して初めて投資利回りが確定します。不動産投資は「買って、運用して、売ってなんぼ」の世界です。
不動産の建物の価値は”基本的には”時間の経過とともに下落していきますから、時間の経過で価値の下がった建物価格の売却損を許容できるか、とも言えるのかもしれません。
いくらインカムゲインを保有期間中に累積していって、優先劣後方式によるクッションがあるとはいえ、売却損で損してしまう可能性もありますからね。
不動産は「必ず売れる」とは限りませんから(流動性リスクが高い)、自分としてはある程度はインカムゲインで利回りを構成している商品を選ぶことが多いかな。
もちろん、売却契約締結済みなど(COZUCHIのEXITファンドなど)でリスクヘッジされている商品もあるので、例外もありますが。
ちなみに。不動産の豆知識として。不動産のインカムゲインとキャピタルゲインを年単位で細かく査定していくのがいわゆるDCF法(不動産鑑定評価で収益価格を求める手法の一つ)という手法です。
収益物件で鑑定を取っている事業者は、裏ではDCF法で物件価格を必ず査定しているはずですから、「鑑定評価を取得しているファンド」というのは、僕はかなりの安心材料になってます。
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いつものごとく途中から話がそれたような気もしますが、要は「利回りは高い方がいいけどリスクも比例するから気を付けようー!」というお話です。
くれぐれも将来何が起きるのかを100%予測するなんて確率論や統計論を用いても不可能ですし、不動産は安定しているとはいえ、様々な固有リスクがあって、僕たち投資家はそれらの全てを認識できないという点は認識しておきましょう。
不動産クラファン投資であまり重視していないこと:格付け
次に、不動産クラファンで僕があまり重視していないことです。
これはどちらかというとソーシャルレンディングで重視する考え方だと思うのですが、ソシャレンなどの貸付取引では「約束通り返済されないリスク」(債務不履行リスク・信用リスク)があります。
このリスクを測定する物差しの一つに「格付け」のようなものがありますよね。
ただ、ソシャレンで最大手だったmaneoやSBISLでさえ不祥事を起こしましたので、この格付け(ここでは最大手、最多会員数、上場企業系なら安心というのようなものを言う)も絶対ではないことは、今となっては誰もが思い知ることになったのではないでしょうか。
ご存じのとおり、格付けはあくまで信用度の相対的な位置づけなので、破綻しないことを保証するものではありません。逆にいうと、格付けが低いから投資してはいけないというわけでもありませんし。
一方、不動産クラファンなどの不動産証券化商品では、実際に投資する物件が見えるので、事業者の信用度(格付け)というよりは、むしろ実際に投資する物件の収益力、安全性、流動性などを重視しています。
もちろん、厳しい不特法の許可基準があるとはいえ、不動産クラファンであっても事業者が破綻すれば元本が毀損する可能性が高まるので、くれぐれも格付けが重要ではないと言ってるわけではありません。個人の程度問題ですので、誤解なきようお願いします。
まとめ
まあ、あれですよ。不動産クラファンでも株でも暗号通貨でも、投資は貯蓄とは違ってリスク商品ですからね。得することもあれば損することだってありますよ。
中でも不動産は見えない固有のリスクがある商品だと認識したうえで、あとは利回りを重視してもよし、事業者を重視してもよし、自分で「基準」を決めてクラファン投資を楽しみたいですね。
※投資はその人の置かれている状況(投資余力、態度、時期、家族構成など)により様々です。上記基準が一律に当てはまるものではないことは、ご承知おきくださいませ。
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