日本政府は月例経済報告 - 内閣府を毎月公表しています。
月例経済報告とは
日本政府が景気に関する公式見解を示す月例報告書のこと。
クラウドファンディングへの直接的な影響は小さいかもしれませんが、政府の景気判断をみることで、不動産の需給関係や価格形成全般に影響を与える最近の経済の動きを概観することができます。
2019年3月の景気判断では重要な変化があり、景気がやや弱気化した見方になりました。続く4月の景気判断はどうなったのでしょうか?
政府の景気判断の変遷
月例経済報告における基調判断の変遷は次のとおりです。
2017年1月~5月
「景気は、一部に改善の遅れもみられるが、緩やかな回復基調が続いている」
「一部に改善の遅れ」がみられ、また回復ではなく「回復基調(回復に向かっている)」としていることから、やや弱気な判断と受け取れます。
2017年6月~12月
「景気は、緩やかな回復基調が続いている」
「回復基調」としていることから、まだ景気回復にはいたっていません。
2018年1月~2019年2月
「景気は、緩やかに回復している」
2018年1月から「回復している」としてます。その後、景気回復局面が14カ月続きました。
2019年3~4月
「景気は、このところ輸出や生産の一部に弱さもみられるが、緩やかに回復している」
2019年3月から「一部弱さがみられる」と修正され、やや景気が弱気化しているという公式見解で、4月も同様でした。
景気判断の変遷まとめ
- 2017年前半は「一部改善の遅れがみられる」とし、やや弱気化した見方
- 2017年後半は「回復基調(回復に向かっている)」なので横這い
- 2018年1月~2019年2月は「回復している」とし、強気化した見方
- 2019年3~4月は「輸出や生産の一部に弱さもみられる」とし、やや弱気化した見方
これまで2018年1月~2019年2月まで1年2カ月間も強気だった政府の景気判断が、2019年3月にやや弱気化し、4月も同様の状態が続いています。
今後の先行きについて
今後の先行きについて、2019年4月の政府の見解を引用します。
先行きについては、当面、一部に弱さが残るものの、雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待される。ただし、通商問題の動向が世界経済に与える影響や、中国経済の先行き、海外経済の動向と政策に関する不確実性、金融資本市場の変動の影響に留意する必要がある。
出典:内閣府 月例経済報告(平成31年4月18日)
こちらは先月と内容に変わりはありませんでした。
日銀の2%のインフレ目標については、達成は遥か彼方ですが、政府は「日本銀行には、経済・物価情勢を踏まえつつ、2%の物価安定目標を実現することを期待する」としています。
景気動向指数(2019年3月速報値)
景気動向指数には動きがありました。
2019年3月の国内景気の現状を示す景気動向指数(CI:一致指数)は先月から0.9ポイント下落しました。
景気動向指数(CI:一致指数)は指数の推移により機械的に決定されます。
景気動向指数(CI)の下落にともない、景気基調判断では2013年1月以来(6年2カ月ぶり)の 「悪化」となりました。
基調判断の定義
「悪化」の定義:景気後退の可能性が高いことを示す。
出典:内閣府 景気動向指数「2019年3月速報の概要」
指数では「景気後退の可能性が高い」と判断されましたが、政府の公式見解でも景気の後退局面と判断されるのか、2019年5月の月例経済報告が注目されます。
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