福岡市に特化した不動産クラウドファンディング「えんfunding」、前回募集された第7号と第8号は、大橋にある同じマンションでした。
同じマンション(同じ建物で部屋は異なります)で同時に募集されましたが、利回りが第7号が6.2%、第8号が5.0%だったこともあり、倍率が第7号が699%、第8号が557%。
やはり大方の予想通り、利回りの高い第7号の方が倍率が高くなりましたね。僕は運良く当選しましたが(謎の当選マウントをとる奴)、皆さんの抽選結果はいかがでしたか?
さて。そんな人気業者えんfundingから、また新規募集があります。今回は福岡の「平尾」にある区分マンションです。
うん、平尾。レジデンス投資市場ではかなり有名なエリアですね。
まあ、実際に平尾に行ったことはないんですけどね(笑)
行ったことはありませんが、職業柄かれこれ10年以上、日本中の取引事例を集め続けていますので、”投資マーケットが確立しているエリアであれば”どの程度の投資需要があるのか、利回り水準はどのくらいかは・・・まあだいたいわかります。
偉そうに書いてますが「収益用不動産の取引事例の収集・分析」は、リートなどの証券化を扱う不動産鑑定業者なら当たり前にどこもやってます・・・というか必須です。
ですから、収集方法・利回り水準には独自性があるにせよ、投資物件を扱う鑑定士ならある意味誰でも知ってることなので、決して僕が特別なわけではありません。
ただ、まあ、なんだかんだで本業が役立っているので、こういうときは不動産系ブログをやっててよかったなと思います。ブログを始める前は全然考えていませんでしたが。
でで!それを踏まえて平尾は福岡のレジの中でも比較的上位のエリアですね。
えんfundingでこれまで募集された大濠公園周辺や、博多には及ばないものの香椎よりは上ですし、前回の大橋よりもやや上だと思います。
※あくまで僕独自のデータベースでは。また物件の個別性により異なります。
ということで、今回もかなり胸が熱くなる立地でしたので、内容を見ていきたいと思います。
えんfunding 第9号ファンド【平尾】
ファンド情報をえんfundingから拝借してみました。
- [ ファンド名 ]えんfunding 第9号ファンド【平尾】
- [ 対象不動産 ]区分マンション1室
- [ 分配金の原資 ]家賃収入・売却益
- [ 契約種別 ]匿名組合契約
- [ ファンド組成 ]㈱えんホールディングス
- [ 出資割合 ]総額1,510万円(優先出資1,208万円(80%)、劣後出資 302万円(20%))
- [ 募集金額 ]1,208万円
- [ 予定分配率 ]5.0%(年利)
- [ 運用期間 ]6ヶ月
- [ 募集方式 ]抽選式
- [ 募集期間 ]2022年3月1日09:00~2022年3月8日
いつもどおり、対象不動産は区分マンションの1室ですね。
募集金額は1,208万円でほぼ通常運転の範囲内。利回り5.0%はこれまでと比べると低めです。劣後割合20%もいつもどおりですね。
続いて物件情報はこちらです。
- [ 物件名 ]エンクレスト平尾Ⅱ
- [ 所在 ]福岡市南区大楠2丁目3-25
- [ 竣工 ]2009年1月
- [間取り]2K(Dタイプ)
- [ 交通 ]西鉄平尾駅 徒歩9分
- [ 土地面積 ]575.20㎡(登記簿)
- [ 構造 ]RC造8階建
- [ 占有面積 ]27.30㎡
- [ 延床面積 ]1,588.90㎡
- [ 用地地域 ]近隣商業地域・第二種住居地域(80%/300%ほか)
築年はこれまでの物件とほぼ同じ程度で、ちょうど脂ののった時期の収益物件。駅距離も10分を切ってます。専有面積からして今回は単身者向けですね。
えんfundingは商業地域にあるマンションが多かったですが、今回の用途地域は近隣商業地域と第2種住居地域なので、商業系と住居系の用途地域が混在しています。
地域分析
えんfundingでは西鉄平尾駅から徒歩9分とあります。グーグルマップで見ると天神周辺や薬院にも近いですね。
えんfundingによると西鉄平尾駅から西鉄福岡(天神)駅まで最短4分とあります。都心への接近性は十分ではないでしょうか。
ちなみに前回募集された大橋にも近いです。
考え方の参考として、上の地図から福岡の中心部の一つである天神周辺への距離を見れば、今回の立地である「平尾」が「薬院」よりは下で、「大橋」よりは上であることがわかります。
いずれにしても、福岡の主要駅への接近性、都心部への接近性に十分優れています。福岡でも有名なエリアはいくつかありますが、平尾も十分レジデンスの投資需要のあるエリアですしね。
ちなみに、対象不動産の前面道路のR3相続税路線価を時価に割り戻すと「28万円/㎡(前年から+4.7%)」です。これまでのえんfundingから見れば地価はやや低いですが、大通りから一本裏に入った背後地であることも影響してるのかも。
対象は区分マンションですし、しかも収益物件なので土地価格は直接関係しませんが(厳密に言うと関係なくはないのですが)まあ、一応参考程度に書いてみました。
実際に自分でも収益価格を出してみればいいんでしょうが、残念ながらそこまでの時間はありませんし、立場上、軽々しく出すといろんな人に迷惑がかかりそうなので控えさせていただきます。
福岡市は人口も増えてます。えんfunding情報のコピペですが「福岡市は人口増加数、人口増加率、単身世帯増加率が国内主要経済圏でトップで、2035年まで人口増が見込まれる」とあります。
ちなみに対象不動産は、えんfundingの自社ブランド「エンクレストシリーズ」(※)ですね。えんfundingによれば2020年度エンクレストシリーズ平均入居率は99.68%と、えらい人気のマンションのようです。
※株式会社えんホールディングスが福岡市内を中心に展開する自社ブランドのマンション。
続いて物件を見ていきます。グーグル先生で住所を検索すると、こちらの物件になりました。
白と青を基調に、ぱっと見た感じでは維持管理の状態も良さそうに見えます。
ただグレードはこれまでの募集ファンドよりはやや劣るかもしれませんね(むしろ、これまでが良すぎた)。
周りには戸建住宅もチラホラ見えますから、これまでのように高層マンションが建ち並ぶ新興エリア・・・という感じではないようです。道路幅員はやや狭いですが、裏を返せば騒音が抑えられるのかなと。
都市計画法上の用途地域は「近隣商業地域と第2種住居地域」であることからも、マンション用地と戸建用地が混在しているエリアですね。
福岡のリート
ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、福岡はちょっと前なら「天神ビックバン」、今なら「博多コネクティッド」が有名ですね。
福岡の都市部を中心に街作りがどんどん進んでいます。それに福岡はJ-REITでも日本初の地域特化型リート「福岡リート」も登場しています。
※福岡リート投資法人。期末のポートフォリオは32物件、資産規模(取得額合計)は2,020億円。博多筑紫通りセンタービルを2022年3月に取得予定。(出典)JAPAN REIT
最近のJ-REITの取得・売却情報を見ていても福岡の物件は多いですね。
例えば2022年1月末に日本都市ファンド投資法人が千早のレジを16億円で取得しています。本取引は取引利回4.3%とかなり低い(≒価格が高い)ですから、売った方は結構な儲けがあったのではないでしょうか。
まとめ
では最後にまとめます。
- 福岡県南区にある平尾は全国的に見ても投資市場が確立しているエリア。
- 人口増加率、地価水準、地価上昇率も全国的に見ても福岡は高い。
- 利回り5.0%と下がりつつあるが、マーケットから見ると十分お得感あり。
この他、とりたてて何かデメリットはありますかね・・・?強いて言えば人気が出て抽選が高倍率になる可能性があることがデメリットでしょうか。
利回りが下がったのは業者のさじ加減ですし、平尾のレジデンスで5%もあれば特に不満があるような利回りでもありません。
売却時の流動性を考えてみても、平尾周辺のレジ投資需要が運用期間中の6ヶ月で突然変化しないでしょうし、
世界経済では一部で金利上昇機運が高まっていますが、日本では今のところ金融機関の融資姿勢などマクロ経済環境も大きな変動はなさそうです。
万が一、急激に不動産市況が悪化して価格が下落したとしても、優先的に損失を負担してくれる劣後出資によるクッションが20%もあります。
ただ!いつも書いてることですが、僕は物件を見てませんから「へー。そういう意見なのねー。」程度でお願いします。
あくまで個人的な見解であることにご留意いただいたうえで、よい物件だと思うのでご紹介してみました。
僕は平尾のレジデンスに投資できるチャンスなので、本ファンドも狙いたいと思います。
えんfundingでは福岡の好立地ファンドが続きますので、もしご興味がありましたら試してみてはいかがでしょうか?
では今回は以上です。
まだまだ寒い日が続きますが、お身体に気を付けて今日も健やかにお過ごしください。
\福岡の好立地の不動産クラファン!/
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