CREALからホテルアマネクの「アマネク通信(運用月次レポート)」が届きました。
ホテルアマネクはCREALの第1弾ファンドで、初回にもかかわらず満額8.8億円を集めましたね。
アマネク通信はCREALで投資家登録しないと閲覧できないので、詳細は控えますが、ホテル評価で重要な指標であるADR(平均客室単価)、OCC(稼働率)などの情報も記載されてます。
いや~、あらためてCREALの情報開示は、すがすがしいほど徹底してますね!
ここまで開示してくれると、もう言うことはありません。
が!
「ホテルってポコポコ作り過ぎじゃない?」
「オリンピックが終わったらホテルは下火でしょ?」
っと不安に思われてる方もいらっしゃるのでは?
今回の記事では、ホテルマーケットの歴史と現在のホテル市況について分析し、ホテルアマネクの売却可能性について検討しました。
ホテルマーケットの歴史
ホテルはリートでも主要なアセットとして定着してます。
特に僕が住む千葉県はディズニーランドもあるのでホテルが多く、個人的にも不動産鑑定士として働いた10年間で、ホテルを鑑定評価する機会も多くいただきました。
今でこそ、ホテルは好調ですが、この10年間のホテルマーケットの歴史を振り返ると、冬の時代も長く続いていたんですよ。
平成19年~平成21年ごろ
リーマンショックに端を発した世界的な景気の冷え込みにより、国内旅行人数や消費額は大きく減少した。
平成23年ごろ
東日本大震災、福島第一原発の事故により、直接の被災地である東北地方のみならず、全国的にツアーキャンセルが相次ぎ、旅行人数は大幅に減少した。
平成24年ごろ
LCC(低コスト航空会社)が相次いで運行を開始し、飛行機の利用者が増えたこともあり、国内の旅行需要はやや回復傾向に。
平成25年ごろ
アベノミクスへの期待から円安・株高になり、景況感が好転。LCCの路線増加も相まって国内旅行の需要も増加。東南アジア5か国のビザ免除・緩和も追い風になり、インバウンドが過去最高の1,000万人を突破。
平成26年ごろ
消費税が5%から8%に引き上げられ消費が落ち込む。さらに台風や豪雨も続き旅行人数や消費額が減少した。
平成27年ごろ
北陸新幹線の開通、円安が進行したこともあり、日本へ旅行しやすい環境に。インバウンドは過去最高の約2,000万人を突破。
平成28年ごろ
インバウンドは2,400万人を突破。ただし、中国やアジア各国の経済成長の鈍化や、一時円高になったこと、国内では将来への不安から節約志向が広まったことから、旅行者数は伸び悩む。
平成29年ごろ
中国政府による関税引き上げや為替の変動で、いわゆる「爆買い」は縮小傾向に。旅行の目的が「買い物」から「体験」へシフト。都市部やリゾートホテルの開業ラッシュが続く。
平成30年ごろ
インバウンドは3,100万人を突破。その恩恵を受け、機関投資家によるホテル投資が増加。東京五輪後も中長期的に高いニーズがあるとみて、主要商業地でホテル開発が続く。
現在のホテル市況
円高や中国経済などの懸念材料はあるものの、大型ホテルの開発は続き、インバウンド需要も安定してます。
ですので、天災や感染症等の特段のアクシデントがない限り、宿泊市場は好調を維持しそうです。
ホテルの取引のプレーヤーの多くはJ-REIT、私募REIT、米系投資ファンド、アジア系投資ファンドをが中心ですが、好調なホテルパフォーマンスに牽引されて、プレーヤーの取得競争は過熱化した状態が今も続いています。
CREALが狙うのはブルーオーシャン
ただし、これらリートや外資系ファンドが狙うのは総額50~100億円クラス、客室規模も200室以上の大型物件が中心です。
ホテルアマネクは総額約9億円、客室50室の小規模ホテルのため、これら強力なライバルたちと競合しません。
CREALはクラウドファンディングを使い、やや低価格帯のブルーオーシャンをうまく攻めてます。
しかも、ホテルアマネクは規模は小さいものの、宿泊客や投資家に選考される要素である、
- 宿泊需要が好調な東京都内
- 宿泊特化型ホテル
- 都心で最寄り駅徒歩5分以内
というポイントはしっかり押さえてます。
アマネクの売却可能性
アマネクの評価は、強気な評価でした(私見です)。
ただ、一方では実際にホテル市場では取引利回りは低下(価格は上昇)してますので、アマネクのように、強気な賃料予測に基づく値付けも少なくないのも事実です。
僕は保守的なので、アマネクは売却時が心配でしたが、好調なホテル市況とアマネクの特徴から分析すると、多少無理な査定であったとしても、売却はさほど難しくないのかもしれません。
※クラウドファンディングは、元本を保証する商品ではありません。”必ずご自分で”納得するまで調べ、リスクを許容した上で、投資してください。