不動産クラウドファンディング投資研究所

サラリーマンを卒業した不動産鑑定士が、不動産クラウドファンディングに投資してみた

COZUCHIの凄さ「シナリオが複数用意されている」点を深掘りしてみる

 

COZUCHIから22億円の大型ファンドがきますね!

 

(引用)COZUCHI

 

  • 利回り:6%
  • 運用期間:18ヶ月
  • 募集金額:22億円(内訳:特別優先募集11億、一般募集11億)
  • 劣後割合:12%
  • 募集開始:特別8月3日19時、一般8月6日19時

 

僕には優先募集のメールは来なかったので一般募集でのチャレンジになりました。

追記)特別優先権メール、来てました!

 

22億は代々木公園に次ぐ規模で、COZUCHIでは見慣れてきましたが不動産クラファン全体でみるとかなりの大型ファンドです。

 

ファンド内容について深掘りしてみようかなとも思いましたが、毎回それだと読み手も飽きてくると思うので、今回は切り口を変えて書いてみたいと思います。

 

僕の勝手な想像ですが、一般的なCOZUCHIのイメージは、「募集金額が大きい」、「利回りが高い(上振れする)」、「コネクションや仕入れがすごい」などという点かなと思います。

 

もちろんそれもそうなのですが、他にはないCOZUCHIのおもしろさの一つに「シナリオが複数用意されている」という点があります。

 

例えば今回の新ファンド「湯島事業用地フェーズ1」にも大別して3つのシナリオが準備されてますね(詳細は後述しますが、そこからまた複数のパターンにも細分化されている)。

 

このシナリオは不動産証券化でいうところの「ビジネスプラン」と同義で、実務上、僕も目にする機会も多いのですが、要はアセットマネージャーが投資家やレンダーに開示する「投資運用計画」です。

 

投資運用計画とは具体的には、最終的な予定売買金額や売却利回り、融資条件、公租公課(税金)、修繕計画などの物件レベルの収支のほか、アセットマネージャーの報酬までも考慮したSPCレベルの収支があります。

 

最後には投資家に提示する配当計画が記載されていて、関係者はこれの実現に向けて動いていく、いわば羅針盤です。

 

いくら不動産が安定しているアセットであるとはいえ、ビジネスプランどおりに実現できないことも多々あり(むしろその方が多い?)、ましてや経済情勢も不安定な現在ではその影響も受けるので、その際は都度プランの見直しが必要になる、というのが通常の投資運用計画です。

 

ですが、ここで「事前に変化を見越して複数のシナリオを準備しておく」というのがCOZUCHIですね。

 

売却(ディスポジション)までの計画を立てられるのが実に秀逸だなと毎回感心します。

 

では、今回のファンドのシナリオを引用しながらみていきたいと思います。

 

→COZUCHI

 

シナリオ1 開発用地として売却

 

(引用)COZUCHI

共同事業者にて、本物件に入居するテナントへ権利交渉を行い、最終的に開発用地として売却することで資産価値を最大化します。
本物件は駅直結で希少性が高いことから、権利交渉の進捗により大手デベロッパーから開発用地として買い取りたい意向が既にあります。
交渉するテナントは10先あるものの、TRIAD社としては共同事業契約の定めの通り、権利交渉にかかるリスクオフを行っています。

(引用)COZUCHI(太字は筆者)

 

一言でまとめると、

 

湯島駅徒歩1分(東京メトロ千代田線湯島駅5番出口に直結)という立地で開発用地としての売却が最適。テナント交渉も共同事業者がうやってくれるので楽ちん。

 

というのがシナリオ1です。空室やテナントの多さは共同事業契約でリスクヘッジしてますよと。

 

シナリオ2 共同事業者による買取オプション及び他への売却

 

(引用)COZUCHI

今回のファンド及び共同事業契約は18ヶ月となっております。権利交渉が完了していない状態で期限を迎えた場合は、共同事業契約に既に定めている金額で共同事業者が買い取るオプションが付与されています。その際の配当利回りは6%を確保しております。
共同事業者は、権利交渉にかかるコストを先に負担している状況からも途中で本件プロジェクトから降りる可能性は低く、買い取る蓋然性は高いと考えております。

また共同事業契約の定めにより、TRIAD社の判断での共同事業契約の期間延長も可能です。事業利益が最大化できる可能性がある場合は期間を一定伸ばすことにより、利益獲得を目指します。その場合は本ファンドをクローズ後、フェーズ2としてファンドを再組成する予定です。フェーズ2へ移行する場合、TRIAD社が当該見込評価額にて買い取ります。

その他、権利交渉の進捗状況にもよりますが、駅直結物件の希少性からも本物件を開発用地として売却を狙う他の不動産事業者への引き継ぎによる売却も可能であると考えております。

(引用)COZUCHI(太字は筆者)

 

シナリオ2は、共同事業者に利回り6%で買い取ってもらうプランですね。シナリオ2からさらに3つのパターンに分かれています(驚いた)。

 

この場合の配当が期待利回りと同じ6%ですね。

 

このうち、タイミング的に売却時期を延ばしてフェーズ2に移行する可能性もあるので、COZUCHIではよくある今回だけでは終わらないという可能性もありますね。

 

つまり期限が迫ってるけどもう少しで権利交渉が終わるとなれば、利益の最大化のために共同事業の期間延長もあり得ます、というわけです。

 

収益物件への方針転換によるリスクヘッジ

 

(引用)COZUCHI

シナリオ1及び2での権利交渉が難航する場合、本物件を保有するリスクを負うTRIAD社は収益物件としての売却への方針転換を行い、リスクヘッジします。
通常であれば権利交渉などを進めた後、収益物件での売却方針への切り替えは、権利交渉コストと新たなリーシングコストが二重に生じてしまうためコスト負担が大きすぎる問題があります。しかしながら今回は共同事業であり、権利交渉にかかるコストの負担はTRIAD社に無いため、権利交渉が難航した場合には、影響がなく収益物件としての売却の方針転換が可能となります。

本物件においては、建物の管理コストが約40%削減でき、またリーシングにおいては、隣接しているビルの成約事例からの算出で、表面利回り7%ほどの収益物件となります。
本物件のような駅直結で希少性の高い物件において、表面利回り7%ほどの収益物件は非常に少なく、収益物件としても売却の蓋然性は高いと考えています。

(引用)COZUCHI(太字は筆者)

 

こちらはシナリオ3(?)で、シナリオ1と2がうまくいかなかった場合まで想定されてます。

 

権利交渉が無理だった場合、テナントを埋め戻して収益物件として売却してしまうパターンですね。

 

ちなみに立地は文京区湯島で、COZUCHIに記載があるとおり、表面利回りとはいえ湯島で利回り7%はなかなかないと思います。

 

(引用)COZUCHI

 

立地としての文京区(湯島)の相場観については、他社ですが過去記事で書いてますので今回はその紹介に留めておきます。

 

【関連記事】【この立地で利回り8%の威力とは?】TOMOTAQUの新ファンドがかなり良さそう!

【関連記事】Rimpleは安定の都内好立地ですね

【関連記事】『TECROWD』確かに小石川は文京区の最高立地だわ・・・

 

リンクを貼っておきましたので興味がありましたらご参考まで。

 

売却に向けて複数のシナリオを準備する意義

 

一般的に売却方針を決定する際には売却時期の見極めのため不動産市況を読む力と、物件の価値をしる物件査定力(売却価格のシュミレーション)、売却か保有継続かの検討が必要です。

 

物件価値の概算では保有時の管理費(税金含む)、売却時の仲介手数料などの売却コストに含まれますから、それらの把握も事前に必要ですし、自社で買い取ったりする場合にはキャッシュリザーブの把握も必要です。

 

単純に物件売却による損益に、事業者レベルの損益を加減したものが最終的に投資家の配当になるので、最終的な配当額の予想にも注意点が盛りだくさんですね。偉そうに書いてますが僕にはできません。

 

リファイナンス(COZUCHIでいうところの再募集)を企図するシナリオもあるので、タイミングによる鑑定評価額(NOI)の変動、今では金利変動も注意が必要ですし、投資家が追加出資するケースもあります。

 

いずれにしても、ビジネスプランが大きく変更になると、投資家への配当にも多大な影響があります。

 

ですから前述したように、常に市場動向を把握するとともに、どのシナリオに転んでもパフォーマンスを出せる状態を維持するように運営するのは並じゃないなと思います。

 

加えて不動産には売りやすい時期、買いやすい時期なんてのもありますしね。例えば決算期末には取引が集中して物件が動きやすい。逆に期末以外は売り物件が少ないため需要が競合し高く売りやすい、とか。

 

いつ、誰に、どのように売却するかはファンドの成果を大きく変化させますし、口でいうのは簡単ですが実際にやるのは難易度がかなり高い。

 

不動産業界の端くれながら、コズチはまさに想像力のあるプロ中のプロだなと思ったのでした。

 

以上、どなたかのお役に立てば幸いです。

 

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